Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1990: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Research Abstract |
申請書記載の実施計画に基づいた研究により以下の成果を得た.特に(3)については,本研究経費により購入した電気信号取得・解析装置を用いて得られたものである. 1.貼り合わせ法により作製した脂質二分子膜中に種々の人工カチオンレセプタ-(ビス(12ークラウンー4)),ビス(15ークラウンー5),長鎖ビピリジル誘導体,ETH(001等)を包埋した電極を作製し,電位応答を調べた.検討条件下で(i)Nernst応答を生起する場合(ビス(12ークラウンー4))及び(ii)電位応答を引き起こさない場合(その他のレセプタ-)に分類できることが見出された.このような挙動は従来の液膜系とは明らかに異なり,脂質二分子膜の特性が反映されている(日本分析化学会北海道支部1991年冬季研究発表会講演要旨集,p.84). 2.バリノマイシンを包埋した人工脂質単分子膜界面におけるホストーゲスト相互作用を表面圧ー面積曲線から観察し,K^+イオンとバリノマイシンとの錯形成は膜表面電荷によって制御され,錯形成には負の電荷をもつ脂質が必要であることを初めて明らかにした(Langmuir,投稿中).この成果は分子膜界面での物質認識システムを設計する上で重要な指針を与える. 3.電荷をもつ人工脂質単分子膜が気/液界面で示す表面電位を実測し表面電位に及ぼす脂質双極子と表面電荷により構成される電気二重層の寄与を分離することに成功した.さらに,中性分子によって引き起こされる脂質単分子膜の表面電位変化の機構を明らかにした.この成果は,中性分子に応答する分子膜電極を開発する上で重要な知見である.
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