膜における反応を利用する尿中のPAFおよびリン脂質の高感度分析ー腎障害の臨床診断への応用ー
Project/Area Number |
02640458
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
分析・地球化学
|
Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
松原 チヨ 東京薬科大学, 薬学部, 助教授 (10057309)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
湯淺 浩一 東京薬科大学, 薬学部, 助手 (80200856)
|
Project Period (FY) |
1990
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
|
Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1990: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
|
Keywords | リン脂質 / PAF / リン酸 / モリブドリン酸 / マラカイトグリ-ン / TLC / 会合体 / 吸光光度法 |
Research Abstract |
最近、尿中に漏出するリン脂質やPAF(血小板活性化因子)が、アミノ配糖体などの抗生物質投与時に惹き起こされる腎障害の指標となることが示唆されている。しかし、それらを定量することは、従来困難であった。 本研究は、極微量な尿中リン脂質、PAFの簡易迅速な定量法を開発することを目的とした。即ちリン脂質およびPAFをTLC板上に展開分離した後、そのまま板上で酵素反応と呈色反応を行う分析法を確立した。試料としてホスファチジルコリン、そのリゾ体、スフィンゴミエリン、ホスファチジルエタノ-ルアミン,ホスファチジルセリン、PAF、リゾPAFの7種のリン脂質について、以下のようにTLC板上での展開分画、酵素、呈色反応の条件の最適化を行った。 1.溶媒クロロホルム:メタノ-ル:酢酸:水(55:25:8:4)によって展開分離された各リン脂質は、TLC板上で酵素ホスホリパ-ゼ、アルカリホスファタ-ゼの作用下、加水分解され、定量的にリン酸を生じた。 2.生じたリン酸はモリブデンーマカライトグリ-ン試薬によってモリブドリン酸ーマラカイトグリ-ン会合体を生成する。クロマトスキャナによって測定された吸光度(λ_<max>640nm)はリン脂質量に比例する。 3.TLC板の顕微レ-ザラマン測定により、板上での反応の様子を推理した。その知見に基ずいて数種のTLC板について検討した結果、HPTLCを用いた時、最もよい分離と高感度な呈色が得られた。 以上検討の結果確立された本法により、得られたリン脂質の検量線は、0.5〜40pmolの範囲でよい直線性を示した。本法によって、尿中の極微量リン脂質の分離定量が可能であり、臨床検査における有用性が示された。
|
Report
(1 results)
Research Products
(3 results)