Project/Area Number |
02640494
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
遺伝学
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
津田 雅孝 山口大学, 医学部, 講師 (90172022)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Keywords | トランスポゾン / 転移機構 / 融合体解離 / 遺伝的組換え / 部位特異的組換え / 原核生物 |
Research Abstract |
原核生物のトランスポゾンTn1721,Tn4653,Tn4655,Tn4656は、転移反応の前期段階である融合体形成反応に完全な機能的互換性を持つが、後期段階である融合体解離反応の機能並びに転移非関連遺伝子群の構造に多様性を示す。本研究では、これらの4種のトランスポゾン(Tn)について、解離反応に関わる部位特異的組換え系を解析するとともに、各々の部位特異的組換え系がTnの内部構造の多型性に果たす役割を検討した。部位特異的組み込み活性をも持つTn4655の解離酵素TnpRは、その塩基配列の決定から、溶原性ファ-ジがコ-ドする部位特異的組み込み酵素のアミノ酸配列と高い相同性を示し、Tnとファ-ジの間で進化的に部位特異的組換え酵素遺伝子の交換があったことが示された。また、Tn4653の融合体解離に必要な2つの遺伝子産物をコ-ドする領域の塩基配列の決定から、これら2種の遺伝子産物は既知の部位特異的組換え酵素と何ら相同性を示さず、Tn4653の解離系は全く新しい型の部位特異的組換え系であると結論された。トルエン代謝遺伝子を担うTn4656のTnpRは自身の融合体のみを解離するのに対し、薬剤耐性遺伝子を担うTn1721のTnpRは自身の融合体及びTn4656の融合体の両者を解離する。両Tnの解離に関わる領域とその周辺領域の塩基配列の決定・比較から(1)融合・解離に関わる領域の塩基配列は極めて相同性が高く、アミノ酸残基数が同じであった両TnpRでは10残基のみが異なり、解離にcisに必要な区域res内の組換え部位に隣接した6塩基に置換があること、また、(2)resを境界にして相同性が消失することを見いだした。これらの知見から、(a)各々のTnpR間で異なるアミノ酸残基の1つまたは複数がresの認識或いは組換え活性を規定し、res内で異なった塩基の1つまたは複数がTnpRのこのような機能の標的になること、また、(b)Tn内の転移非関連遺伝子群の多型化に融合体解離系が直接関与することが示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)