Project/Area Number |
02640548
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
動物発生・生理学
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
大日方 昂 千葉大学, 理学部, 教授 (40012413)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | アクチン / コフィリン / ADF / プロフィリン / 筋細胞 / 筋原繊維形成 |
Research Abstract |
1.低分子アクチン結合蛋白質(コフィリン、ADF、プロフィリン)の筋組織における発現と局在 3種のアクチン重合制御因子の発現と局在を鳥と哺乳類の種々の筋について、それぞれに対する抗体を用いたイムノブロットと免疫組織化学、及びcDNAプロ-ブを用いたノ-ザンブロット法を組み合わせて調べ、次のことを明らかにした。(1)3種のアクチン結合蛋白質は若い骨格筋、心筋、平滑筋いずれでも明らかに発現、(2)平滑筋では、親でもコフィリン、ADF、プロフィリンが顕著に発現される、(3)骨格筋の発生の進行により、コフィリンは量が減少するものの親骨格筋でも発現され、特に速筋より遅筋で多量に発現される(従来、哺乳類骨格筋ではコフィリンは発現されないとされていた)、(4)遅筋(前広背筋:ALD)では、筋原繊維のI帯にコフィリンが存在しており、また速筋筋原繊維にコフィリンを添加すればI帯に集合することから、コフィリンは筋原繊維のアクチンに結合し機能しうる、(5)ADFとプロフィリンは発生の進行につれ横紋筋では発現が減少していく、(6)ジストロフィ-筋ではコフィリンの発現量が増す、(7)哺乳類骨格筋の発達過程でコフィリンが脳型から筋型に変換する。 2.培養筋細胞内でのコフィリンとADFの局在の動的な変化 蛍光抗体法による観察によれば、コフィリン、ADFとも培養筋細胞では主に細胞質に拡散している。既に報告したように、DMSO処理された筋細胞ではコフィリンは細胞質から核内に移行しアクチンとともに顕著なロッド状構造を形成するが、今回新たにADFも同条件下で核移行するのを見いだした。心臓から解離された心筋細胞では、一時的な筋原繊維の崩壊と再編成、また条件により培養皿上に細胞の著しい進展が起こるが、この過程でコフィリンは一時的に細胞質に分散、筋原繊維への局在、進展した細胞端への濃縮など多彩な振舞いを示す。これからの事実から、コフィリンは細胞内のアクチンのダイナミックな集合、再編成に深い関わりをもつと考える。
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