Project/Area Number |
02640550
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
動物発生・生理学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
真行寺 千佳子 東京大学, 理学部, 助手 (80125997)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 景一 東京大学, 理学部, 教授 (40011481)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 鞭毛運動 / 滑り運動 / ダブレット微小管 / 中心小管 / 屈曲面 |
Research Abstract |
鞭毛や繊毛の運動は、ダブレット微小管の滑り運動に基づくものであるが、多くの鞭毛では、この滑り運動から平面的な波が形成される。9本の周辺小管間に起こる滑り運動がどのように平面的な屈曲に変換されるのかについては、鞭毛・繊毛運動の基本にかかわる重要な問題として、いくつかの仮説が提唱されている。その一つが、9本の微小管間に起る滑りが大きく分けて2つから成り、この2つのパタ-ンの間の変化が鞭毛の規則的平面波を形成するというものである。我々は以前に、ウニ精子の頭部に強制的に振動を加え、振動方向を変化させると、屈曲面が外部から加える振動の方向に応じて容易に、可逆的に変化することを見出した。同様の屈曲面の変化は、我々の開発した方法を用いて除膜した精子においても観察される。振動方向の変化によって起る屈曲面の回転は頭部から見て反時計回りに回転させた場合には、振動を停止するとほぼ同回転数の屈曲面の逆回転を引起した。このような屈曲面の回転は、周辺小管間の滑りのパタ-ンの変化によると考えられるが、そのパタ-ンの制御には中心小管が重要な役割を担っている可能性がある。そこで屈曲面の回転が鞭毛の根元と鞭毛に沿った部分で制御されているのか、先端も必要であるのかを調べるために、鞭毛を細いピペットを出し入れすることにより切断し、約17μmの鞭毛を持つ精子で実験を行った。その結果、先端を失った鞭毛でも振動方向の変化による屈曲面の回転とその後の逆回転が起ることがわかった。また、通常の長さの除膜鞭毛でATP濃度と回転反応の関係を調べた結果、約150μM以上の濃度が必要であることがわかった。これらの結果は、屈曲面の制御には軸糸内の回転する要素ー多分中心小管ーの根元及びそれに沿った部分に関連する構造が重要であること、中心小管が周辺小管の滑りのパタ-ンの制御に関与する可能性を示す。
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