Project/Area Number |
02640552
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
動物発生・生理学
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
能村 堆子 お茶の水女子大学, 理学部, 教授 (30022578)
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Project Period (FY) |
1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Keywords | ダイニン / 微小管 / 動的不安定性 / PCーtubulin / Mapsーtubulin / ATP / Ca / 臨界濃度 |
Research Abstract |
繊毛虫テトラヒメナの繊毛から単離したダイニンを,ブタ胎チュ-ブリンから再構成した微小管(MTs)に結合させるとComplexを形成する。このComplexを用いて、MTsの重合、脱重合に対するダイニンの影響を調べた。特に、MTsの脱重合を惹起する処理を行ない,ダイニンが結合したことにより、MTsの脱重合がいかに影響をうけるかを調べた。MTsは、希釈,Ca濃度 低温などの処理を行なうと脱重合することはよく知られている。MTsーダイニンComplexにこれらの処理を行なうと、臨界濃度以下に希釈しても、MTsは脱重合しなかったが、Ca濃度を高くしたり,低温処理では脱重合した。ダイニンのMTsへの結合は,MTsが希釈により脱重合することを妨げたが,Caや低温処理による脱重合は阻止できなかった。微小管の分画からMapsを除去し、チュ-ブリンのみで再構成したMTs(PCーMTs)にダイニンを付加して、Complexを形成させ、同様の実験を行なった。その結果、Complex中のMTsは希釈では脱重合せず,Ca^<++>では脱重合して、MapsーMTsと同じ結果になったが、低温処理ではPCーMTs Complexは脱重合せず安定であった。 MTsへのダイニンの結合には、ATP感受性結合(Bーendーbinding)とはATP非感受性結合(Aーend binding)がある。上述の2つのComplexについて、ATPを加えて、ダイニンを解離させて、bindingのタイプをしらべた。PCーMTsでは45%がATP感受性結合,MapsーMTsでは約80%がATP感受性結合であった。したがって、MapsーfreeのPCーMTsでは、ATP非感受性の結合が多くなって、低温に対する安定性が増す可能性が示唆された。 MTsダイニンが結合することによって、不安定なMTsが安定化され、生体内での細胞骨格の機能発現に重要な役割を果たしていると考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)