カイコ貯蔵タンパク質遺伝子における cisー発現調節領域の解析
Project/Area Number |
02640560
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
動物発生・生理学
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
泉 進 東京都立大学, 理学部, 助手 (10145659)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | カイコ / 体液タンパク質 / 貯蔵タンパク質 / 遺伝子発現 / 肪肪体 / 転写 / 転写因子 |
Research Abstract |
カイコには貯蔵タンパク質SP1,SP2という2種類の体液タンパク質が存在する。これらのタンパク質遺伝子の発現を調節していると考えられるcisー領域について無細胞転写系,ゲルシフト法,およびDNaseフットプリント法により解析した。カイコ卵巣由来の培養細胞BmNより調節した無細胞転写系を用いて,各種欠損SP1遺伝子の発現様式を解析したところ,SP1の基本的転写にはTATA box,TATATATA,を含む-44から+16の領域が重要であることが判明した。特にTATA boxは「TA」の4回の繰り返しから構成されているが、この繰り返しを3回にすることにより転写活性は90%以上失なわれた。以上の結果よりSP1遺伝子の転写にはTATA boxの構造または位置が重要な役割を果しているということが判明した。2種の貯蔵タンパク質遺伝子の構造を比較すると-90から-70にかけて約70%の相同性がある。この領域が貯蔵タンパク質遺伝子の発現に関与するのではないかと考え,この部分を含むDNAフラグメントを調製し,ゲルシフト解析を行った。貯蔵タンパク質が活発に合成されている5齢2日目の脂肪体から核を調製し,この核から核タンバク質を抽出した。核抽出液とDNAフラグメントを反応させゲルシフトを行うと,確かにこの領域にタンパク質が結合することが判明した。この結合にはSP1に対してはSP2の,逆にSP2に対してはSP1のフラグメントにより阻害がかかる。さらにDNaseフットプリント法により確かにこの領域にタンパク質が結合していることが明らかとなった。以上の結果よりカイコ貯蔵タンパク質遺伝子上流に共通に存在する配列がこれらの遺伝子の転写を調節している可能性が示唆された。今後,この領域に結合するタンパク質が実際に転写因子として機能しいてるか否かについて,現在開発中のカイコ脂肪体無細胞転写系を用いて解析する予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)