Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1990: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
スキッド式トンネル探針と,ステップモ-タ駆動の精密XYステ-ジを試料走査用に採用することで,mmスケ-ルの測定範囲を持つSTMを試作することが出来た。試作機ではパ-フレクトメ-タの原理を応用し,テ-ブルの横方向の位置決めに約10nmの精度を得たので,あらさ測定器としては十分の精度を遠成したと言える。 一方,カンチレバ-のたわみ検出に臨界角プリズムを利用した角度検出器を導入し,XY方向の走査とZ方向の走査機構を分離した新しい形式のAFMの試作に成功した。その結果,大きな試料を搭載して,高速測定を実現できるAFMを実現した。弾性切り欠きばね方式のXYステ-ジを積層ピエゾアクチュエ-タで駆動,試作機の走査領域は最大12μmx15μmを得ている。また,Z方向の測定範囲,分解能は10μm,1nmである。今後,これをスキッドと組合せればさらに大きな測定範囲が同程度の精度で実現できる。 新しく開発したSTMとAFMを利用して,さらには光触針あらさセンサをも使って何種類かの回折格子を測定して結果,測定箇所の違いを考慮すれば,ほぼ同じ形状を得た。その際,導電性を要するSTMのために格子に金の被覆膜を付けたが,膜が厚すぎると表面が粗れるなどの現象が生じて,AFMの有利さが明らかになった。ただし,カンチレバ-の作製取り付け,調整はSTMのチップの取り付けよりはるかに面倒である。プロ-ブの違いによる形状の差をより厳密な比較をするためには,これらを一つの機器に組込んで試料を取外すことなくそれぞれのプロ-ブで同一箇所を測定できるようなシステムの構築の必要性が確認された。今後,試作したモ-タ駆動のXYステ-ジを持つSTM装置にAFMあるいは光触針プロ-ブも組込んだシステムを作りたい。
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