Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1990: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Research Abstract |
実施計画に沿って研究を行い,今年度は下記に示すような新たな知見を得た. 1.使用マイクロ波の周波数の選定とクライストロン等の注文および購入 マイクロ波の波長が2.5mm,カットオフ電子密度が1.8×10^<20>m^<ー3>の120GHzの周波数を選定した.これに伴い,120GHz用クライストロン(マイクロ波の発生器)およびクリスタルマウント(マイクロ波の検波器)を発注し,購入した.また,科研費とは別の予算で抵抗減衰器,ホ-ンアンテナも同時に購入した. 2.名古屋大学の大型計算機を使用して,熱平衡を前提に,1気圧の高温空気ア-ク中の電子密度と120GHzマイクロ波の相対透過量との関係を計算した.その結果,厚さ3mmの平板状ア-クでは,内部の電子密度が1.1×10^<21>m^<ー3>以上のとき,マイクロ波は5%以下の相対透過量であり,10^<20>m^<ー3>以下の電子密度では相対透過量が95%以上であること,および1.1×10^<21>m^<ー3>から10^<20>m^<ー3>までの範囲における電子密度は120GHzマイクロ波の相対透過量から測定できることがわかった. 3.PTFE(商品名テフロン)板で囲まれた,厚さ3mm,幅20mm,高さ50mmの平板状消弧室に,50Hz,500Aのア-クを点弧させ,大気中でア-ク遮断実験を行った.この遮断前後の電子密度を120GHzマイクロ波の相対透過量から測定した結果,電流零点以後の電子密度の減衰状況が70GHzマイクロ波で求めた減衰状況と非常に類似していることがわかった.また,電流零点直前の消弧ピ-ク電圧が発生しているときの電子密度は,120GHzマイクロ波の相対透過量から,5×10^<20>m^<ー3>程度であることが明らかになった.さらに,この消弧ピ-ク電圧発生時の電子密度が低いほどア-ク遮断の成功率が高いこともわかった. 4.今後,ノズル形状を変えて,空気を吹付けた場合の電流零点前後の電子密度の高低と遮断成功率との関係をさらに詳しく求める予定である.
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