窒化鉄薄膜の巨大な磁気モ-メントに対する残留ガスのおよぼす影響に関する研究
Project/Area Number |
02650219
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
電子材料工学
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
森迫 昭光 信州大学, 工学部, 助教授 (20115380)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栄岩 哲二 信州大学, 工学部, 助手 (60175528)
松本 光功 信州大学, 工学部, 教授 (80020981)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1990: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 高飽和磁化 / 窒化鉄薄膜 / 残留ガス / スパッタリング / 軟磁性薄膜 |
Research Abstract |
鉄・窒素間化合物にはいろいろなものがあり,各相によって出現する磁気特性は異なる。本研究では高飽和磁化・軟磁性薄膜に注目した。軟磁性はαーFe相とγ'ーFe_4N相の境界領域において出現する。これはミクロにはαーFeの結晶磁気異方性が他の結晶構造(γ'ーFe_4N)との混在により弱められたためである。またこの時,マクロな磁気異方性が誘起される。これはプラズマ収束用磁界による誘導磁気異方性であることが明らかになった。一方,純鉄と同等もしくはそれ以上の高飽和磁化を有する薄膜は,αーFe単相そしてγ'ーFe_4Nとの混相領域で形成される。このことは,高飽和磁化をもつ準安定α″ーFe_<16>N_2相が形成されている可能性を示唆しているが,X線回折法では現在のところ検出されてない。残留ガス分析の結果,真空槽内には種々の残留ガスが存在することが明らかとなった。主なものは水,窒素,酸素そして炭化水素であった。薄膜作製(スパッタ)時の圧力調整は高圧バルブによるコンダクタンス調整によって行っている。すなわちバルブを閉じながら調整している。この時の各残留ガスの成分の変化を詳細に検討した結果,次のことが明らかになった。水,窒素そして酸素は単調に増加する。つまり到達圧力が上昇することに相当する。一方,炭化水素と思われるスペクトルは極小値をもつ変化をする傾向にあった。そしてこの極小値の時の圧力が,高飽和磁化を有する薄膜が形成される圧力とほぼ一致した。この炭化水素と思われる残留ガスの存在が,高飽和磁化を有する相の形成を困難にしているということが明らかになった。加えて,アルゴンもしくは窒素ガスを導入すると水に関連する成分ガスの増加も認められた。この原因は現在明かではないが,高純度ガスといえどもボンベも含めて不純物ガス,特に水の混入には十分な配慮が必要であることが明らかになった。
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Report
(1 results)
Research Products
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