シリコン中の希土類元素による発光過程に関する基礎的研究
Project/Area Number |
02650220
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
電子材料工学
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
中嶋 堅志郎 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (80024305)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Keywords | シリコン / 希土類元素 / エルビウム / レ-ザ照射 / 不純物ド-プ / フォトルミネセンス / 過渡容量法 |
Research Abstract |
パルス色素レ-ザ照射による不純物ド-プの検討:シリコン基板上にEr薄膜(約100nm)を真空蒸着し、これをクライオスタットに固定したのちEr膜上からパルス色素レ-ザを1発照射した。(照射条件:パルス幅0.5μs、エネルギ-密度1.8〜1.9J/cm^2、波長584nm、圧力6x10^<ー4>P、室温照射)照射直後の77Kでのフォトルミネセンス(PL)測定(アルゴン・イオンレ-ザ、514.5nmにより励起)では、バンド端の発光以外何ら認められなかった。1.2〜2.1J/cm^2の範囲のエネルギ-密度を照射したn形FZSiでは、アニ-ル温度700〜750℃(窒素ガス雰囲気、500〜900℃、各温度15分等時アニ-ル)でErが関与する1.54μmの発光が最大となることが明らかとなった。同様の測定をn形CZーSiについて行なったところ、酸素析出に起因すると考えられる転移によるブロ-ドな発光が1.54μmに現われ、Er関連の発光と分離することが不可能であった。1.8,2.1J/cm^2照射したnーFZーSiの700℃における等温焼鈍では約20分でEr発光強度は最大となり、その後ゆるやかに減少する。p形試料についての初期的な実験によると、n形試料に比べて、発光強度は小さい。Erを蒸着した試料を1200℃、24時間真空中で熱処理した試料では、顕著な発光線を何ら見出だせなかった。以上より、レ-ザ照射によるErド-プの原因として、(1)照射により発生した温度勾配によるストレス、(2)強励起によるボンド・ウイ-クニング等が考えられる。 4.2Kでの分解能を上げたPL測定によると、1.54μm以外に1.65μmを中心にブロ-ドなサイドバンドが観測され、これらの発光線が立方晶位置のErによる発光であると推論した。1.54μmの発光強度は励起アルゴン・イオンレ-ザパワ-の約1/2乗に比例し、発光が2分子反応で生じていること示唆している。光学活性なEr原子の場所分布の測定は現在進行中である。本方法で得られたErの発光強度は励起子の関与した発光に比べて1/40程度であり、デバイス化へ向けてEr濃度の増加法を検討する必要がある。
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Report
(1 results)
Research Products
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