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¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1990: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
本研究は,GaAs基板上に,ワイドギャップIIーVI族半導体ZnSe及びZnSSe(格子整合混晶)をMBE成長させる際に,アクセプタ添加を試みたものである。MBE成長の原料として,Zn,Se,ZnSを用いている。アクセプタとしては,これまでの研究でNとLiが有望と考えられるので,NH_3あるいは金融Liを原料として,NあるいはLiの添加を試みた。成長層の特性は主としてフォトルミネッセンスにより評価した。 1.N添加;成長中にNH_3を導入すると,PLスペクトルにはI_1^S線,DAペア発光があらわれ,Nがアクセプタとして添加されていることがわかる。しかし,NはZnSeには比較的容易に添加されるが,ZnSSe混晶には添加されにくいことが明らかになった。その一方,FA発光の強度はZnSSe混晶の方が強く,結晶性は格子整合混晶の方が優れていることが示されていた。成長層はかなり高抵抗で,P形かどうかは確認できなかった。 2.Li添加;ZnSeにまず基核温度340℃でLiを添加した。PLスペクトルから,Liがアクセプタとして添加されていることが示されたが,添加量が多くなると,ZnSeの膜厚が薄くなることがわたった。このことと,ZnSSeに340℃でLiを添加すると,S組成が大きくなることを考えあわせると,LiはSeが固相中にとり込まれることを妨げている(LiがSeと反応してSeを表面から脱離させる)ものと推定される。基板温度250℃ではこのような膜厚の減少は観測されなかった。250℃でI_1^S発光が最も強くなるLiセル温度は218℃で,340℃の最大値より強い発光が得られた。ZnSSeにLiを添加すると,添加量が少なくてもI_1^S発光が強く,結晶性の改善あるいはLi添加効率の向上があるものと考えられる。Li添加ZnSeとCl添加ZnSeで接合を作ると,良好な整流性を示し,CーV特性から,10^<16>1cm^3程度のP形が得られていると結論された。
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