量子トンネル効果を利用した超高速受光素子に関する研究
Project/Area Number |
02650225
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
電子材料工学
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
三好 旦六 神戸大学, 工学部, 教授 (20031114)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 真人 神戸大学, 工学部, 講師 (40177142)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1990: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | アバランシェホトダイオ-ド / 量子サイズ構造 / 量子輸送 / ウィグナ-関数 / ヘテロ接合 / 正孔蓄積 / δ(デルタ)ド-ピング / 量子井戸 |
Research Abstract |
1、超高速受光素子の提案 光吸収をInGaAs層で、アバランシェ増倍をInP層で行う長波長帯アバランシェフォトダイオ-ド(APD)は、光励起された正孔の一部がヘテロ接合部に蓄積されるので、応答時間が制限を受ける。本研究では、ヘテロ接合部に、量子サイズの四元層、グレ-デッドギャップ層あるいはデルタド-ピング層を導入する構造について正孔輸送の理論的研究を行い、量子サイズ構造により正孔蓄積を、それぞれの構造の理論限界まで低下できることを明らかにした。また、これらの構造の中でグレ-ディッドギャップ層の挿入が最も効果的であることも理論的に明らかにした。 2.半導体デバイスの量子力学的シミュレ-ション 量子サイズ構造を含む半導体素子の輸送現象を解析する手法を確立することを目的として、量子力学的分布関数であるウィグナ-関数に関する輸送方程式について研究を行った。得られた具体的な成果は次の通りである。 (1)有効質量の位置依存性を取り入れてウイグナ-関数の輸送方程式を定式化し、さらに離散化手法を完成させた。このような半導体輸送問題への拡張は、従来にない初めての試みである。 (2)電子波の電荷による局所ポテンシャルの変化を取り入れるために、ポアソン方程式と組み合わせたセルフコンシステントな解析法を完成させた。 (3)上記の成果を踏まえて、二重障壁共鳴トンネルダイオ-ドの電子輸送、長波長APDの正孔輸送の静的、動的特性の解析を行い、量子構造の最適化を行った。 (4)電子波の散乱効果については、今年度は、緩和時間近似のみを取り入れた。今後は、フォノン散乱、谷間散乱について、現象論的な導入の方法を研究する予定である。 (5)更に、今後は光の吸収、発生を含むウイグナ-関数の輸送方程式について検討を行い、量子井戸レ-ザの量子輸送の解析、構造設計を行う予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)