大域的収束性を保証するIIR型適応エコ-キャンセラと遠隔会議システムへの応用
Project/Area Number |
02650233
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
電子通信系統工学
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
辻井 重男 東京工業大学, 工学部, 教授 (50020350)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
趙 晋輝 東京工業大学, 工学部, 助手 (60227345)
植松 友彦 東京工業大学, 工学部, 講師 (60168656)
坂庭 好一 東京工業大学, 工学部, 助教授 (30114870)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 適応信号処理 / IIR型適応フィルタ / 大域的収束 / エコ-キャンセラ / 音響系エコ- / 勾配型算法 |
Research Abstract |
適応信号処理において、IIR型適応算法は雑音が存在するとき、大域的な収束は保証されない。また、適応フィルタが時間とともに更新しているため、従来の時不変系に対する安定性保証法は適用できない。本研究では、補助変数原理に基づく新しい勾配型IIR適応算法GIVEを提案した。この手法は、大域収束が保証されており、所望信号とのみ相関を有する補助変数を用いることにより、強い雑音が混入した信号を抽出するために有効である。また、時変系の安定性理論を構築することにより、新しい安定化法を提案した。GIVE算法は音響系エコ-消去に適用したとき、ダブルト-ク期間においても、更新可能であるために、常にエコ-経路の時間変動を追従できる。しかも、ダブルト-ク発生時刻の検出遅延によって生ずるADFの誤収束問題を解決することができる。そして、GIVE算法を帰還を含むシステムに適用したときの構成を提案し、一意に大域的な最適解に収束することが保証されることを示す。安定性の確保について、任意時変系の漸近安定性を対証する条件を示し、それに基づく簡易な安定化法を得た。また、短時間安定性(有界性)を制御する手法も提案している。高速算法として、学習同定法とアフィン射影算法を斜射影算法を拡張する提案し、GIVEを含めて、一般的なFIR型及びIIR型勾配型適応算法に対して、統一的な理論解析を行った。従来、白色入力で、雑音がない場合にのみ、解析結果が得られていたが、本研究は、任意の入力、雑音に対して、一次モ-メント収束と二次モ-メント収束の条件を示した。これによって、有色入力に対する二次収束の条件がより厳しくなったことがわかった。また、一次と二次モ-メントの収束を同時に考えるときの最適と準最適な時変ステップサイズを示し、それに基づいた更新法により、5ー10dBのERLEの改善が得られると同時に、未知系に時間変動が起こったとき、高速な追従性能も得られた。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)