Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1990: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
|
Research Abstract |
1次元的に伝播する不規則波列の統計的性質に及ぼす変調不安定の影響について検討し,以下のことを明らかにした。 i)不規則波列を構成するフ-リエモ-ドにおける変調不安定は,非線形Schro^^″dinger方程式によるAlberらの結論と異なり,スペクトルのバンド幅やピ-ク周波数に関係なく3次の非線形干渉によって生じる。特に,ピ-ク周波数周辺のフ-リエモ-ドの変調は波群と密接に関わっており,波群を通して高波の連なりや波高分布に大きな影響を及ぼす。ただし,風波に近い広帯域のスペクトルの下ではフ-リエモ-ドの変調は互いに消殺し合うため,波群への影響は小さい。 ii)変調不安定の影響は,うねりに近い比較的狭帯域のスペクトルの下で波群の形成を通して種々の統計量に具体的に顕れ,その表示には変調不安定による波群の実態を踏まえた指標が必要である。そして,波群をフ-リエモ-ドの合成に伴って顕れる波列の異常(高波や低波の連なり,高波の増幅)と捉え直したときの指標としてはGroupiness Factorが最適。 iii)波群を通して顕れる変調不安定の影響を定量的に評価するため,波群をGFで評価する一方,波高分布についてはWeibull分布で表し,GFとWeibull母数の間にスペクトルのバンド幅をパルメタとした関係のあることを見い出した。 iv)変調不安定によって1次元的に伝播する不規則波列においてもfreak waveが発生する。freak waveの水平水粉子速度の鉛直分布は,スト-クス波のような定常波のものと大きく異なり,波自体の非定常性の影響を強く受けたものになるため,波力の算定などにおいて注意が必要となる。
|