Research Project
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
本年度実施した調査は以下の通りである。(1)分譲集合住宅の共用部分の改善について協力の了解が得られた管理組合に郵送によるアンケ-ト調査を実施した。60管理組合から回答を得た。調査の目的は古い集合住宅が住宅部分の相対的低水準化と同様に、当初の外部環境や共用設備が現在の居住者の要求に添わなくなっている事実に対してどのような改善が行ない得るかを知ることである。改善の内容、改善に至るまでの経緯、かかった費用等を整理した。60管理組合の立地の内訳は近畿圏25、愛知県5、首都圏30である。(2)建て替え運動を実施している管理組合や建て替えを完了した団地の関係者にヒヤリングを加えた。関係者は居住者、管理組合代表者、デベロッパ-、コンサルタント、建設会社設計者、行政等である。ヒヤリングは20の団地またはマンションに対して行なった。出来るかぎり運動経過や計画概要が分かる資料を収集した。(3)首都圏の115公的分譲集合住宅管理組合に対して維持管理に関する調査を郵送アンケ-トで行なった。目的は地価高騰後管理組合の運営課題や居住者の住み替え等がどのように変化して来たかを確認するためである。新に得られた知見は以下の通りである。A)改善実施は古い大規模団地型管理組合に集中する。駐車場以外で目立つ改善は集会場で、中には1億円以上の多額の費用を掛けるものも出現している。B)大規模団地が建て替えに参加することで都市計画上の諸問題が浮き彫りになって来た。行政の対応が遅れているが、一行政での対応には困難な点が多く、学会での議論がより重要となった。C)(3)の調査では、地価の高騰後住民の移動がより困難になったため、多くの居住者が建て替えに希望を託す結果となっている。土地政策不在が建て替え運動に繋がっている。
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