Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1991: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
岩盤の超長期強度推定にあたり重要な因子の一つと考えられる応力腐食によるきれつの伸長現象に着目し,極めて遅い領域の速度ときれつ先端の応力集中の程度を表す応力拡大係数との関数を求めるための試験装置を作成した.速度測定はダブルト-ション試験を用いた荷重緩和法である.極めて遅い領域のきれつの伸長速度計測に関してもっとも困難と予想されたものは,1.極めて長時間の計測が必要になること,2.速度の遅い領域では計測量の単位時間あたりの変化が小さいこと,3.長時間の計測にさいして温度等の環境条件の日単位の変動および季節単位の変動が計測されるべき岩石の挙動そのものに影響を与えると同時に計測量にもドリフト等の影響がありうることである.1・に関しては,計画書どおり無停電電源装置により解決することがはかられた.2,3・に関しては,1℃の温度変化に対応して0.3μm載荷装置の伸び縮みが生じ,これに対応して0.08N荷重が変動することが計画段階で予想された.したがって実験室内温度変化を空調により±2℃以内に保つことにより,10^<-10>m/s程度の計測にはほぼ2ケ月要することが予期された,この観点から行われた6ケ月以上にわたる長期間の計測結果によると,極めて僅かに抑えられていても温度の日変動にともなう変位の日変動は完全には可逆的ではなく僅かずつではあるが変位が増加し続けることが示された.これは岩石のきれつの表面がなめらかではなく,僅かな変位の増加後,凹凸部でロックされるため変位の一部が残留してしまうためと考えられた.本研究の結果,遅い速度領域の計測にさいし,当初計画されていたよりも厳しく温度を一定に保必要があることが明かとなった.その結果に基づき,恒温チェンバ-の内部および表面の温度を一定に制御することにより試験環境の温度を一定に保つことを計画し,さらに研究を続行する予定である.
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