Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Research Abstract |
肉厚大型セラミックス製品の新しい成形方法として開発した振動鋳込み法(重自では流動できない濃厚泥漿に振動エネルギ-を供給し,粘度を一時的に低下させて型内に鋳込み,振動除去と同時に脱型する方法)を窒化珪素セラミックスの成形に適用するための最適条件をみい出すことを試み,以下のような結果を得た。 1)窒化珪素微粉末は,pH2〜4と10〜12の間に解膠域があり,pH5〜9の範囲で凝集,pH2未満,及び12以上で二次凝集することが,沈降法並びに流動電位法によるゼ-タ電位の測定結果からわかった。 2)球引き上げ式粘度計により,振動数60Hz,振幅0.175mmの振動が付与された水分量45d%泥漿の球引き上げ荷重依存性を検討した結果,いずれのpHの泥漿にも,引き上げ荷重の増大に伴って見掛け粘度が増大する、いわゆる体積ダイラタンシ-が観察された。 3)同一水分量での見掛け粘度の比較において,添加した水が内蔵水として粒子間に固着される凝集泥漿よりも,その全てが自由水として流動性に寄与する解膠域にある泥漿の方が極めて低い粘度を示すことがわかった。 4)泥漿の見掛け粘度に与える振動条件の影響は,解膠域にある泥漿よりも凝集域のそれに顕著にあらわれた。すなわち,前者では振幅0.5mm以上で一定粘度に到達するのに対し,後者では連続的に減少する傾向がみられた。一定振幅での振動数依存性も差異が生じ,前者では60Hz以上でほぼ一定の見掛け粘度となるのに対し,後者では150Hzまで粘度の低下がみられた後,高振動数域で両度増大する傾向がみられた。 5)以上の実験結果から,鋳込み成形の最適条件としてpH10〜12,振動数60〜90Hz,振幅0.2〜0.5mmを得た。
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