Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
|
Research Abstract |
表記の研究課題を達成するために必須と考えられるカチオン性の配位不飽和種の発生法と、その反応性について検討し以下に記す成果を挙げた。 (1)カチオン性の3核ルテニウムヘキサヒドリド錯体の合成 2核のルテニウムテトラヒドリド錯体とHBF_4,H_2SO_4,CF_3SO_3Hなどのプロトン酸の反応により、カチオン性の3核ルテニウムヘキサヒドリド錯体[(C_5Me_5)RuH_2]_3・3X(X=BF_4,1/2SO_4,CF_3SO_3)を合成し、種々の分光学的手法を用いてその構造を明らかにした。 (2)高度に配位不飽和な3核のルテニウムトリヒドリド錯体の合成 カチオン性の3核ルテニウムヘキサヒドリド錯体[(C_5Me_5)RuH_2]_3・3XをNaOMe,KOH,Hg(Li)などで環元することにより配位不飽和な3核トリヒドリド錯体[(C_5Me_5)RuH]_3を合成し、単結晶X線回折法を用いてその分子構造を解明した。3核のトリヒドリド錯体[(C_5Me_5)RuH]_3はCO,CH_3Iとの反応に際してはその骨格を保持したままであり、μ_3ーCO,μ_3ーI配位子を有する新規な3核錯体を与える。 (3)カルボキシラ-トを架橋配位子とする2核ルテニウムジヒドリド錯体の合成 2核のルテニウムテトラヒドリド錯体とカルボン酸の反応で、カルボキシラ-トを架橋配位子として有する2核のジヒドリド錯体を合成し,その分子構造を明らかにするとともに、本錯体を用いハロアルカンの炭素一水素結合を活性化し切断できることを示した。
|