フェニルチオ基の転位反応を利用する立体選択的合成反応
Project/Area Number |
02650616
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
有機工業化学
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
大寺 純蔵 岡山理科大学, 工学部, 教授 (20131617)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 恒夫 岡山理科大学, 工学部, 講師 (80183383)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | チオアセタ-ル / 2ーアセトキシー2ーフェニルアセトアルデヒド / アリルシラン / アリルゲルマン / アリルスタンナン / S_N1機構 / S_N2機構 / チオニウムイオン |
Research Abstract |
本研究の目的は、これまで殆んど明らかにされていないチオアセタ-ル類とアリル金属化合物との反応機構を解明することにある。我々は2ーアセトキシー2ーフェニルアセトアルデヒドのモノおよびジチオアセタ-ル(1__〜,2__〜)を用いて,条件によりS_N1ならびS_N2両反応が起こり得ることを明確に証明することに成功した。すなわち,1__〜とアリルシラン,アリルゲルマンとの反応は原料の立体化学に関係なく常にシン体のアリル付加物を優先的に与えるのに対して、アリルスタンナンから得られる付加体の立体化学は1__〜のそれに完全に依存する。すなわち,求核力の劣るケイ素、ゲルマニウム化合物の反応はオキソニウムイオンを経由するS_N1機構で進行する。一方、求核力の強いスズ誘導体の反応の遷移状態は反応初期の段階にありS_N2機構により説明される。 次に、2__〜の反応を検討したところアリルシラン,アリルスタンナン両者ともシン体のアリル化物を優先的に与えることが分かった。すなわち、ジチオアセタ-ルの場合にはチオニウムイオンがオキソニウムイオンに比べて生成しにくいためいずれの場合にも反応はS_N2機構によって進行する。 以上,本研究によりチオアセタ-ル類のアリル化の機構が初めて明らかになった。これらの反応が近年合成化学的重要性を増していることに鑑みると本研究の意義は極めて大きいと言えよう。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)