Project/Area Number |
02660003
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Breeding science
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
菅原 康剛 (管原 康剛) 埼玉大学, 理学部, 助教授 (70114212)
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Project Period (FY) |
1990 – 1991
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1991: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 植物培養細胞 / プロトプラスト / 超低温保存 / 凍結保存 / 透化(ガラス化) / 凍害防御剤 / 再分化 |
Research Abstract |
植物培養細胞・組織の超低温保存の新たな方法を開発するために、本研究では、透化(Vitrification=ガラス化)による方法を検討し、また、従来使用されてきた二段階凍結法との比較を行った。透化による方法では、細胞・組織を予め凍害防御剤で処理し、その後透化溶液に懸濁し、部分的な脱水あるいは平衡化を行い、急速に液体窒素中に浸漬した。この方法によって、現在までにオオムギ、コムギ、ニンジンの懸濁培養細胞、エンドウの茎頂の超低温保存が可能であることが明らかになった。しかし、ダイズなどの培養細胞では、この方法による保存がきわめて困難であった。特に、培養細胞では、高い濃度の凍害防御剤の処理によって細胞障害を受けるものが多く、この防御剤の処理方法の検討を行った。その結果、多種の防御剤の組合わせて処理したほうが害が少ないことが明らかになった。この場合、細胞内に透化しやすい低分子のものと細胞内に透化しにくい高分子の防御剤との組合わせが、より効果的であった。また、防御剤の処理による障害を下げ、同時に保存後の細胞・組織の生存率を高めるために、前処理法の検討を行った。前処理法として、細胞・組織の低温処理あるいは高浸透圧培地中での前培養について検討を加えた。この結果、このいずれの方法によっても保存後の生存率が高まることが明らかになった。本研究で用いた透化による方法と従来用いられてきた二段階凍結法との比較では、前者による保存法では細胞・組織の生存率が低い場合が多く、この方法では、凍害防御剤の細胞内の濃度が低いために保存細胞・組織の加温過程で脱ガラス化による細胞内での氷晶形成が起こっており、これが生存率を下げる原因であることが示唆された。透化による方法で保存したニンジン培養細胞では二段階凍結法の場合と同様に多数の不定胚の形成が確認され、この方法による保存によって細胞・組織の形態形成能が損なわれないことが確かめられた。
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