Research Abstract |
1.内因性制御物質 昆虫のGABAリセプタ-リガンド[ ^3H]Ro5ー4864のイエバエ胸腹部P_2画分への時異的結合を指標として,イエバエ頭部から抽出される制御物質の検索を行った.イエバエ頭部ホモジネ-トの25,000g遠心上澄み画分(S)に存在すると思われる制御物質の分子量を推察するために,分子量20,000カットオフ(A)と1000カットオフ(B)の透析膜を用いてS画分を透析したところ,結合阻害活性はAの外液,Bの内液にみられた.したがって,制御物質の分子量は1000〜20,000と推察された.次に,S画分A透析外液をイオン交換樹脂(Amberlite lR120B,lRA410)にかけ,制御物質の分離を検討したところ,両性画分に活性が見られた.また,同液をSephadexGー50カラム(Φ1.5×10cm)にかけ,フラクションコレクタ-で40mlづつ分取して,活性を調べたところ,Fr.No.1・2とFr.No.4の2つの活性ピ-クが得られた.以上の検討を踏まえた更なる精製と,この制御物質がRo5ー4864と同じような昆虫行動抑制活性をもっているかどうかについて検討中である. 2.外因性制御物質 5ー置換4,6ーdioxatricyclo[7.2.1.0^<2,8>]dodecー10ene類を合成し,中圧分取用送液ポンプなどを使って分離したところ,強い殺虫活性をもつ化合物が得られた.GABAリセプタ-リガンド[ ^<35>S]TBPSを用いて,リセプタ-アッセ-を行ったところ,阻害活性があった.ノルボルネン部分に塩素原子を導入すると,5位置換基が大きい場合活性はなかったが,小さい場合活性があった.このような置換基効果は,塩素原子導入しない場合と逆であった.合成化合物の活性から,作用点には化合物と相互作用する4〜5の重要なサイトがあることを推察した.
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