氷核活性細菌とその有効活性成分を用いた凍結濃縮の条件解析
Project/Area Number |
02660132
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
製造化学・食品
|
Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
渡辺 道子 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (90107409)
|
Project Period (FY) |
1990
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
|
Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
|
Keywords | 凍結濃縮 / 氷核活性細菌 / 高圧殺菌 |
Research Abstract |
氷核活性細菌を水溶液または水分散液に加えておくと,水の融点付近で凍結させることが可能である.これは,氷核活性細菌が遺伝情報に基づいて生合成する氷核活性タンパク質の繰り返し構造ドメインの有効氷晶核としての働きによるためである.氷核活性は静止期の細胞で最も高く,静止期の細胞は1細胞でも活性を示した. 氷核活性細菌の1つであるErwinia ananasは茶葉から分離されたグラム陰性細菌で,食品衛生学的には問題ないとされているが,保存・輸送過程での食品の変質を防ぐ意味で,殺菌が必要である.氷核活性タンパク質はαーヘリックス構造をしており,さらに,このヘリックスの外側にある水和水は水素結合によって安定化されているため,熱に不安定であって,加熱殺菌ができない.本研究では,高圧で殺菌し,低温処理でヘリックスを復元する条件を明らかにした.最適加圧条件は3000気圧,室温,10分間であった.この条件下で上記氷核活性細菌は完全に死滅した.加圧菌体はそのままでは氷核活性を示さないが,1日間氷令すると,活性復元した.活性を復元させた菌体を凍結乾燥しても,活性の損失はなかった.この方法で作製した乾燥死菌体は凍結濃縮のための氷晶核としてのみならず,降雪剤としても利用できる. このようにして作製した乾燥死菌体を用いて難濃縮性の卵白を固形分30%にまで凍結濃縮した.濃縮卵白は,未処理卵白とは大きく異なった加熱ゲルを形成した.ゲルの特性値を測定した結果,固形分20%のゲルは水産ねり製品様の性質を示し,魚肉すり身から作製したゲルより粘弾性に優れていた.固形分30%のゲルはドライソ-セ-ジ様のテクスチャ-を与えた.
|
Report
(1 results)
Research Products
(2 results)