魚病細菌Edwardsiella tardaの鉄代謝と病原性の関係
Project/Area Number |
02660189
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General fisheries
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
若林 久嗣 東京大学, 農学部, 教授 (00011932)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | Edwardsiella tarda / シデロフォア / 魚病細菌 |
Research Abstract |
新鮮血清、トランスフェリン、あるいはEDDAによってEdwardsiella tardaの非病原株の発育が阻止されるのに対し、病原株は抵抗性であることを既に報告している。これらが鉄をキレ-トする作用をもつ物質であることから、E.tardaがシデロフォアを産生し、その性質が病原性と関連するのではないかと考え、これを証明することを試みた。 まず、Salmonella typhimuriumを使うバイオアッセイによってシデロフォアの検出を試みたが、試験培地中のクエン塩がE.tardaの発育を阻止するため利用できないことが分かった。そこで、ケミカルアッセイでありシデロフォアの種類を問わず検出できるクロムアズロルS(CAS)検定法を採用した。なお、CAS試薬だけでは明確な検定ができなかったため、キレ-ト力の弱いシデロフォアも検出できるCASシャトル試薬を用いた。基礎培地にはイ-グルMEM(グルタミン、pH指示薬を含まず)、緩衝液にはPIPESを用い、クロロフォルムー8ーヒドロキシキノン抽出によって除鉄を行った。除鉄処理によりMEMーPIPES培地の鉄含量は6ppb以下となり、CAS検定に十分堪える培地となった。 シデロフォアは供試した16株すべてに検出され、病原性株と非病原性株の間に差異を見出することができなかった。病原性株2株と非病原性株2株からシデロフォアを抽出し、高圧ろ紙電気泳動法によりpH5.6でのH_2PO_4^ーに対する移動度を測定したところ、いずれもー0.05の価を示した。この移動度をもつ既知シデロフォアにはものは知られておらず、新しいシデロフォアであることが示唆された。 今回、E.tardaが特異なシデロフォアを産生することは分ったが、病原性との関係を見出すことはできなかった。シデロフォアのリセプタ-が存在すると思われる外膜蛋白の検討などが今後の課題であろう。
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Report
(1 results)
Research Products
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