魚類のC反応性蛋白質遺伝子の発現と防御免疫における役割
Project/Area Number |
02660300
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
基礎獣医学
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
児玉 洋 大阪府立大学, 農学部, 助教授 (20091449)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1990: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | Cー反応性蛋白 / 急性期蛋白 / マクロファ-ジ / 補体 / ニジマス / 血清アミロイドP成分 |
Research Abstract |
ニジマスの急性期蛋白であるC反応性蛋白(CRP)および血清アミロイドP成分(SAP)の、防御免疫機構および生理機能維持における役割また、それらの産生誘導機構を検討した。 1)CRPによるニジマス補体活性化:精製CRP、および急性期血清をニジマス正常血清に加え、補体の活性化を検討した。CRPはCポリサッカライド(CRPのリガンド)存在下で、また急性期血清はそれ自身で補体を活性化した。さらに、CRPあるいは急性期血清は、補体存在下でin vitroにおけるマクロファ-ジによるVibrio anguillarum食菌を促進し、また培養液中での菌の増殖を抑制した。 2)ニジマスにおけるCRP産生誘導因子:V.anguillarumで免疫したニジマスは強毒菌の攻撃に耐過し、このとき血中CRP濃度の顕著な増加が観察された。また、リポポリサッカライド接種や飼育水温上昇など、魚にストレスを与えた場合においても、血中CRP濃度は顕著に上昇した。 3)ニジマスリンパ球表面に存在するCRP:頭腎および末梢血リンパ球にCRP陽性細胞が検出された。また、CRPはこれらリンパ球に結合した。リンパ球をあらかじめ杭CRP抗体と補体で処理するとCRP陽性細胞の割合が減少し、また培養液中に加えたCRPがリンパ球と抗体の反応を抑制することから、その特異性が示された。また、CRPを表面に持つリンパ球は、異種細胞に対する非特異細胞障害活性を示した。 4)SAPの分離およびその理化学性状:アガロ-スヘのカルシウム依存性結合を利用したアフィニティ-クロマトグラフィ-によりニジマスSAPを分離した。分子量は32,000であり、電子顕微境観察で5量体構造を観察した。N末端付近のアミノ酸配列を決定し、ヒトSAPのそれと比較したところ、およそ50%の相同性を認めた。ニジマスにおけるSAPの機能、および遺伝子発現を現在検討中である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)