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¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1990: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Research Abstract |
着床前発生過程における胚細胞の形態および位置の連続的変化の解析を目的として、着床前マウス胚を培養し、その発生状況を録画した。 生後4ー8週齢のB6C3F_1雌マウスを過排卵処置後交尾させ、卵管より2細胞胚を採取した。それらの胚と倒立微分干渉顕微鏡に装着された炭酸ガス(5%)培養チャンバ-内で胚盤胞まで正常に発生させ、その状況をタイムラプスビデオで録画し、その画像を解析した。 結果は下記の通り要約される。 1.第2卵割(2細胞胚→4細胞胚):2個の細胞は非同調的に分裂し,それぞれの分裂面のずれが0ー45゚のものが圧倒的に多かった。分裂直後には楕円体であった各娘細胞は,球体へと形を変えながら回転した(回転卵割)。そして,第3卵割が始まるまでに,4個の細胞は,おのおのの軸が互い90゚をなす安定した配列をとった。 2.第3卵割(4細胞胚→8細胞胚):4個の細胞は,非同調的ではあったが、ほぼ同じ時間間隔で順次分裂した。その際,第2卵割で先に分裂した細胞の娘細胞が第3卵割でも早く分裂する傾向があった。8細胞胚の細胞は、分裂直後における楕円体から球体へと形を変化させるとともに,compactionが始まるまでに8個の細胞が安定した配列をとった。 3.Compactionの過程での細胞の形態変化:8細胞胚の各細胞は扁平化しつつ、隣接細胞との接着面を最初の接触部から周囲へ広げていった。 4.第4卵割および第5卵割:現在,画像解析中。 5.Cキナ-ゼ活性化剤を適用された2細胞胚の形態変化:8細胞期に起るcompactionの場合と同様に,2つの細胞は両者の接着面を周囲へ均等に広げていった。分裂期に入ると細胞接着は弱くなり、間期になると再び細胞接着が強くなったが,これはcompactionを起している8細胞胚が16細胞胚になる際の細胞分裂時に見られる現象と類似していた。
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