Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1990: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Research Abstract |
本研究は抗高血圧薬としての有用性が注目されているカルシウム拮抗薬の抗高血圧作用機序を,血菅平骨筋における細胞外カルシウムの細胞内移動に最も大きな要因となる生体内昇圧因子への影響の解析によって検討し,下記の結果を得た。 1)麻酔イヌにおいて,アンジオテンシンII(AII),バソプレシン(AVP),セロトニンの腎動脈内投与による腎血流量減少反応は,カルシウム拮抗薬ニフェジピン(NI)或いはCDー349(CD)によって用量依存的に拮抗された。 2)麻酔イヌにおいて,細胞内貯蔵カルシウム遊離抑制薬TMBー8の腎動脈内投与により,尿量,尿中ナトリウム排泄量は増加した。 3)麻酔イヌにおいて,対側腎潅流圧低下によりレニンーアンジオテンシン系を賦活させた場合,腎動脈内投与したNIFによる尿量,尿中ナトリウム排泄量増加反応は増大した。 4)麻酔ラットにおいて,腹腔内投与したAVPによる尿中浸透圧上昇反応は,CDで影響されなかった。 5)背髄穿刺ラットにおいて,AII,AVP,ノルエピネフリン(NE)による血圧上昇反応は,NIによりAII,NEが,CDにより三者とも抑制され,いずれの抑制反応もカルシウムチャンネル刺激薬BayK8644で拮抗された。 以上の結果より,AII,NEなどの血菅収縮反応にはカルシウムチャンネルを介するカルシウム流入が関与しており,従ってカルシウム拮抗薬の抗高血圧作用には,これらの受容体を介する血菅収縮反応の抑制が関わっていること,またカルシウム拮抗薬の利尿作用は,AIIによる抗利尿作用の拮抗が示唆された。
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