血管内皮細胞由来弛緩因子の産生機序とその制御に関する研究
Project/Area Number |
02670086
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General pharmacology
|
Research Institution | Shimane Medical University |
Principal Investigator |
服部 圭佑 島根医科大学, 医学部, 教授 (80112134)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠塚 和正 島根医科大学, 医学部, 助手 (50117777)
小林 裕太 島根医科大学, 医学部, 助手 (40162028)
|
Project Period (FY) |
1990
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
|
Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1990: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
|
Keywords | Endotheliumーderived relaxing factor / 一酸化窒素 / ニトロアルギニン / 血圧 / 交感神経終末 / 酸化ヘモグロビン / 脳血管 / 冠動脈 |
Research Abstract |
血管内皮細胞由来弛緩因子(EDRF)が一酸化窒素であることが示唆されている。私どもはEDRF産生阻害薬であるニトロアルギニンを見いだした。本研究ではニトロアルギニンを用い、EDRFの産生機構とその制御ならびに生理的意義を検討した。1.EDRFの反応を抑制する酸化ヘモグロビンが一酸化窒素を吸収し吸光度変化をおこすことを確認した。また一酸化窒素供与体SINー1の血管弛緩作用を検討し、脳血管も弛緩させること、ニトロアルギニンが影響しないことを観察した。2.血管部位による差異については臨床的に重要な脳血管、冠動脈と股動脈摘出標本の比較をイヌでおこなった。ニトロアルギニンは脳、冠動脈摘出標本で濃度依存性に収縮を示したが股動脈では示さず、イヌ脳血管、冠動脈摘出標本ではEDRFが自然放出されていることが示唆された。一方P物質によりEDRFを介した弛緩反応を比較すると脳血管がもっともニトロアルギニンに対し感受性の高いことをが示唆された。これら血管の特性を今後の治療薬の開発に応用していくことが重要であろう。3.一方ニトロアルギニン前投与がノルアドレナリンなどの収縮を増強すること、交感神経終末刺激による収縮反応も増強することを見いだした。これらのことは交感神経系による血圧調節をEDRFが修飾している可能性を示すもので交感神経ー内皮の相関を今後検討していく必要がある。4.さらにEDRFの生理的意義を検討するためニトロアルギニンの経口投与をおこない、血圧上昇を見いだした。これらはEDRFが生体における血圧調節に重要な役割を持つことを示唆する。脳卒中易発ラットでも昇圧が見られ、高血圧発症後も血圧調節にEDRFが関与していることが示唆された。
|
Report
(1 results)
Research Products
(7 results)