Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1992: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1991: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
1,IP_4結合蛋白質(IP_4BP1)に対するポリクローナル抗体を用いて,マウス脳における本蛋白質の局在性について免疫組織化学的に解析したところ,IP_4BP1は中枢神経系全体に存在することが認められ,とくに,嗅球の外網状層,僧帽細胞層,大脳皮質錐体細胞の細胞体と樹状突起,海馬の放射線維層,小脳プルキンエ細胞の細胞体と樹状突起及び糸球体(顆粒細胞と苔状線維のシナプス形成部位)に高い局在を示した。2,精製したIP_4BP1及びIP_3受容体をそれぞれ人工脂質膜に組み込みIP_3あるいはIP_4による^<45>Caの取り込みが認められるか否か調べたところ,IP_3受容体の場合は強い取り込みが認められたが,IP_4BP1に関しては,今回の実験条件下では何らの取り込みも認められなかった。IP_3受容体の場合は抗体を用いたアフィニティークロマトグラフィーで一段階の操作で精製したものを用いたときにのみ取り込みがみられたところから,IP_4BP1についても変性を極力抑えた条件下での精製法を開発する必要が考えられた。3,精製したIP_4BP1のSDS PAGE像では140Kと65Kの2本の分子種が存在する。これらについて,PVDF膜にトランスファーレ,リジルエンドペプチダーゼ消化を行ない,HPLCで分析したところ,ペプチドの溶出パターンが極めて類似しており,両者が一次構造上高いホモロジーを持つものと推測された。また,140K分子については,それぞれのピークについて現在,アミノ酸配列を決定しつつある。4,IP_4結合蛋白質はマウス小脳には少くとも3種類存在することを既に明らかにしているが,IP_4BP1以外の分子種の一つを完全精製し,N未端からのアミノ酸配列を調べた結果,アルドラーゼのAタイプと同じ配列を持つことが認められた。アルドラーゼはIP_3とも強いアフィニティーを持つことが報告されており,アルドラーゼの細胞内機能にIP_3及びIP_4がどのように関わりを持つのか現在,検討しつつある。
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