Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1990: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
|
Research Abstract |
カルモデュリン依存性プロテインキナ-ゼIIのαおよびβサブンニットのcDNAを用いて構造と機能の関係を解析し以下の結果を得た。(1)大腸菌の発現系を用いαとβサブユニットはそれぞれ単独で酵素活性を示すこと,および簡単な操作で均一に精製できた(2)精製したそれぞれのサブユニットは,同様の酵素学的性質を示し,基本的にはラットの脳のキナ-ゼVを同様の性質を示した。(3)様々の変異cDNAを構築し構造と活性の関係を調べた結果,キナ-ゼIIは触媒部位のみで十分な酵素活性を示した(4)この活性はCa^<2+>とカルモデュリンに全く依存せず常に活性型であった。(5)カルモデュリン結合部位の欠失した変異酵素もカルモデュリンに依存しないで酵素活性を示したことから,カルモデュリン結合部位が正確に決定できた,(6)自己リン酸化部位のThr286または自己リン酸化に必要なAlg283を他のアミノ酸に置換すると,Ca^<2+>非依存性活性が出現しなかった。 動物培養細胞ヘキナ-ゼIIのcDNAや変異cDNAを導入し発現されることによってキナ-ゼIIの役割を解析し新しい知見を得た。(1)αとβcDNAをCHO細胞で発現させ細胞内分布を調べるとαサブユニットは細胞質と膜画分の両方に存在するが,βサブユニットは細胞質にはほとんど存在せず膜画分に存在する,(2)酵素が膜に結合することにより基質特異性が変化し,酵素活性の調節と細胞内における存在様式が密接に関係すると考えられる。また,細胞内分布はαとβの構成比によって変化する。 キナ-ゼIIのcDNAを培養神経細胞に導入し,活性を発現する安定なクロ-ンを得ることができたので,現在,この細胞を用いて解析している。すなわち,cDNAを導入した細胞では導入しない細胞にくらべて形態変化が著しく,どのような蛋白質のリン酸化と神経突起の形成や形態変化が対応するか検討中である。このような実験によりキナ-ゼIIの神経細胞内での役割が明らかになると考えられる。
|