ビタミンA・Dレセプタ-とステロイドホルモンによる遺伝子発現の相互作用
Project/Area Number |
02670122
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Pathological medical chemistry
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
古賀 正史 大阪大学, 医学部, 助手 (00186652)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 文三 大阪大学, 医学部, 助教授 (30124770)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | ビタミンA / ビタミンD / ビタミンAレセプタ- / エストロゲンレセプタ- / エストロゲンレスポンシブエレメント |
Research Abstract |
ヒト乳癌細胞を用いた研究によりビタミンAはプロゲステロンレセプタ-数を、ビタミンDはEpidermal Growth Factorレセプタ-数を減少させることが判明した。ビタミンA、Dはステロイドホルモンあるいは増殖因子レセプタ-の発現を調節することによりそれらの応答性を変化させる機構の存在が明らかになった。 次にビタミンAとステロイドホルモンの相互作用に関して我々の研究室で樹立したエストロゲン応答性マウス睾丸間質細胞種由来樹立株(Bー1)を用いて検討を行った。ビタミンAはBー1細胞の増殖を促進し、その作用は抗エストロゲン剤により完全に抑制された。この事よりビタミンAはエストロゲンとcommon pathwayを有している可能性が示唆された。さらにBー1において、ビタミンAはestrogen responsive element(ERE)を含むDNAの遺伝子発現の活性化する奇異現象が観察された。しかしながらBー1において発現しているビタミンAレセプタ-(RAR)ーα cDNAの塩基配列には変異が認められなかった。一方Bー1のエストロゲンレセプタ-(ER)は核と強固に結合する性質を有していることを既に報告しているが、Bー1のER cDNAはPCR(polymerase chain reaction)法を用いた解析によりそのD領域に点突然変異(Glu^<279>→Lys^<279>)が存在し、この結果さらに新たな核移行部位が出現する事が明らかになった。またこの部位はERがdimerを形成するためにも重要な部位と考えられている。正常のERを有する細胞ではビタミンAによりEREを含むDNAの遺伝子発現の活性化がみられなかった事より,Bー1における上記の奇異現象は変異ERに起因することが示唆された。今後変異ERとRARとがheterodimerを形成する可能性に関して解析を行う予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)