原発性胆汁性肝硬変症の発症機序解析と簡易診断法の開発
Project/Area Number |
02670125
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Pathological medical chemistry
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
小池 正彦 長崎大学, 医学部, 教授 (10039521)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浦田 芳重 長崎大学, 医学部, 助手 (30185087)
小池 吉子 長崎大学, 医学部, 助教授 (80039619)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 原発性胆汁性肝硬変症 / 自己免疫疾患 / ジヒドロリポアミドアセチルトランスフェラ-ゼ / ジヒドロリポアミドスクシニル / エピト-プ領域 / トランスフェラ-ゼ |
Research Abstract |
原発性胆汁性肝硬変症(PBC)は、中年女性に多発し、胆管周囲のリンパ球浸潤を伴った慢性の胆汁うっ滞に始まり、次第に肝硬変に移行する難病である。最近、ミトコンドリア抗原(M2)に対する自己抗体が検出され、自己免疫疾患であると指摘されているので、本症の病因の本体の解明と診断法の確立を意図した。 1.抗原タンパク質の検討ーM2抗原がヒトジヒドロリポアミドアセチルトランスフェラ-ゼ(LAT)とアミノ酸配列において非常に高い相同性をもっていることが報告されている。そこでブタLATとこれに類似した構造と機能をもち、リポ酸を配合団とするブタジヒドロリポアミドスクシニルトランスフェラ-ゼ(LST)とを抗原とし、患者の100万倍希釈血清を用いてドットブロット法で免疫反応を調べてみると、患者の70%は両者と、20%はLATとのみ反応し、10%はいずれとも反応しないことが判明した。 2.エピト-プ領域の決定ーブタLATを各種タンパク分解酵素で消化後HPLCで分画し、得られた断片のアミノ酸配列を決定すると同時に患者血清との免疫反応を調べた。リポ酸が結合するLysine残基を含む6アミノ酸配列ETDKATを含む29及び28アミノ酸残基からなる2つのペプチド断片が患者血清と免疫反応を示した。この断片をThrとAspの間でさらに2つの断片に分けると両断片とも抗原性を失った。これらの事からETDKAT配列がエピト-プとして重要な意義をもっているのであろうと推定した。 3.合成ペプチドの抗原性ーETDKAT配列を含む14アミノ酸残基からなる合成ペプチドを抗原とし、患者血清との免疫反応を調べたが、合成ペプチドは抗原性を示さなかった。この事は合成ペプチドとタンパク質断片との三次元構造上の差によるのか、または合成ペプチドのLysine残基にはリポ酸が結合していないことによるのかを今後検討して行きたい。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)