副腎および性腺分泌機能の生体内還元剤による調節とその失調
Project/Area Number |
02670161
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Experimental pathology
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
森 浩志 大阪医科大学, 医学部, 教授 (40028519)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 裕啓 大阪医科大学, 医学部・大学院
福田 春樹 大阪医科大学, 医学部, 助手 (80156786)
辻 求 大阪医科大学, 医学部, 助教授 (60144466)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1990: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | アスコルビン酸 / 副腎皮質 / 精巣 / 卵巣 / 副腎皮質ホルモン / 男性ホルモン / 女性ホルモン / ラット |
Research Abstract |
副腎皮質と性腺におけるステロイドホルモンの産生と分泌には、これらの組織に多量に含まれる生体内還元剤であるアスコルビン酸(AsA)が重要な役割を演ずると考えられてきた。最近開発されたAsA合成不能ラット(ODSラット)を用いてAsA欠乏が副腎皮質と精巣・卵巣の機能にどのような影響を及ぼすかを検討した。1.副腎皮質:生後4週から3週間AsA欠乏食で飼育されたODSラットの副腎重量は対照ラットよりも大きく、血漿および副腎組織内コルチコステロン(C)値は対照ラットと同程度で、かつ日内変動はよく保たれた。ACTH1回注射1時間後のAsA欠乏ラットのC濃度は対照ラットと同じで、刺激によく反応した。3週間のAsA欠乏期間中ACTHで連日刺激するとC産生・分泌は対照ラットと同程度に亢進し、副腎重量はさらに増加した。このことはAsA欠乏がストレスとなり、ACTH分泌を高めて副腎を刺激すること、副腎皮質ホルモンの産生・分泌はAsAを必要としないことを示している。2.精巣:AsA欠乏ラットのテストステロン(T)基礎分泌は低く、日内変動は欠如した。HCG1回注射1時間後に対照ラットのT値は急激に増加したが、欠乏ラットではほとんど上昇しなかった。しかし3時間以降は対照動物と同様なT値の変化を示した。AsA欠乏ラットの血中LH濃度は対照動物の40%だった。AsA欠乏によってT産生能が低下するのは精巣への直接作用ではなく、下垂体の性腺刺激ホルモン産生細胞の機能低下が原因と考えられる。低LH血症によって精巣のLHに対する感受性が低下していると示唆される。3.卵巣・下垂体摘除ラットの卵巣ではAsA欠乏によってもプロゲステロン代謝とFSH誘発T産生は障害されなかった。しかしTを女性ホルモンに転換するアロマタ-ゼ活性はAsA欠乏によって亢進した。AsAは女性ホルモンの産生には必須ではなく、むしろ産生を抑制していると理解される。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)