ウエルシュ菌エンテロトキシンの静脈内注射による動物の致死機序の解析
Project/Area Number |
02670181
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
細菌学
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
杉本 央 大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (20142317)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | ウエルシュ菌 / エンテロトキシン / 蛋白毒素 / 致死機序 / 高カリウム血症 / 膜障害 / 肝障害 |
Research Abstract |
1.エンテロトキシンの血圧、呼吸流量、心電図におよぼす影響 ラットの股静脈に留置したカニュ-レから毒素を注入し、頸動脈および気管に挿入したカニュ-レからそれぞれ血圧と呼吸流量を、また心電図を第II誘導で記録した。致死量(50ng/g体重)の毒素を注入すると、30ー60秒後に心電図の著しい変化(PーR間隔延長、QRS間隔延長)および急激な血圧の降下を示し、約10分後に自発呼吸が停止した。呼吸停止直後に採血を行い血漿成分を分析したところ、カリウム濃度が10mM以上に上昇している事が解った。 2.単離臓器による中毒機構の解析 単離した心臓に毒素を潅流しても、潅流圧および心収縮力に変化は認められず、毒素による心臓の直接障害の可能性は否定された。しかし、肝臓の潅流液中に10μgの毒素を加えると、添加後約30秒で潅流液中のカリウム濃度は12mM以上に上昇し、次いで10分後には潅流液中にGOT,GPTなどの肝細胞内酵素の活性の上昇が見られた。 これらの結果は、静脈内に投与された毒素が主として肝細胞に作用して、その細胞膜の透過性に著しい変化を与えた結果、細胞内カリウムが流血中へ漏出し高カリウム血症をひきおこし、高カリウム血症による心筋障害が心電図変化と血圧降下をもたらし動物を死亡せしめることを示していた。
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Report
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Research Products
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