MHCクラスIIの差に基づく移植細胞対宿主反応による自己免疫の発現機序に関する研究
Project/Area Number |
02670199
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Immunology
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤原 道夫 東京大学, 医学部・(医), 教授 (80012722)
|
Project Period (FY) |
1990 – 1991
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1991)
|
Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1991: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
|
Keywords | 自己免疫 / 移植細胞対宿主反応 / MHCクラスII / 動物モデル,原発性胆汁性肝硬変 / 抗ミトコンドリア抗体 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、MHCクラスIIの差に基づく移植細胞対宿主反応(GVHR)によって誘発される自己免疫性肝疾患(原発性胆汁性肝硬変,PBC)について検討した。前年度までに、(1)CD4^+細胞を移入してクラスII GVHRを起こすことによりPBCの初期病変類似の所見が誘発される、(2)宿主のCD8^+細胞を除去すると病変が強くなり、PBCに特徴的とされる抗ミトコンドリア抗体が検出される、という結果が得られた。この系での問題は、肝病変が時間が経過しても強くならない点であった。今年度はこの点を主として検討した。B6マウスとMHCクラスIIの異なる(B6×bm12)F_1マウスおよびクラスIもIIも異なる(bm1×bm12)F_1マウスに胸腺を剔除し、抗Lytー2抗体を投与して宿主CD8^+細胞を除去した条件下でB6CD4^+細胞を移入した。PBC様肝病変の出現が確認された。一部のマウスにPBC患者にみられる肝表面の凹凸が認められた。後者のF_1マウスでCD4^+細胞移入後2週目にCD8^+細胞を移入してクラスI GVHRを起こし、その自己免疫発現に対する影響を調べた。肝実質の破壊が進みまた胆管上皮への細胞浸潤が強くなり、上皮細胞の破壊が認められた。このような所見はPBC患者でしばしば認められる。以上述べたように、我々の扱っているマウスの実験系はこれまでになかったようなPBCの特徴を示しており、自己免疫疾患の成立機序を採る上でも優れたモデルになり得ると考えられる。この実験系で現在抗ミトコンドリア抗体が産生されてくるか、肝傷害が時間に伴ってどのように変化していくか、等について検討している。
|
Report
(2 results)
Research Products
(9 results)