Amesテスト陰性の環境発がん物質によるDNA損傷の解析および発がん性の予知
Project/Area Number |
02670218
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Hygiene
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
川西 正祐 京都大学, 医学部, 講師 (10025637)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1990: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | Amesテスト / 重金属化合物 / 過酸化水素 / 活性酸素 / カフェ-酸 / 1,2ージメチルヒドラジン / 変異原性 / ESR |
Research Abstract |
Amesテストによる変異原性の検定が発がん物質の第一次スクリ-ニングとして有効であるとされてきたが、最近の研究によれば変異原性や発がん性との一致率は、60%程度に低下している。Amesテスト陰性の発がん物質の第一次スクリ-ニングを開発することは衛生学領域において極めて重大な緊急の課題である。Amesテスト陰性の発がん物質である重金属化合物例えば、ニッケル(II)、コバルト(II)、ニトリロ三酢酸鉄(III)キレ-トなどでは活性化機構が知られていなかったが、これらの重金属化合物が過酸化水素の存在下で活性酸素を生成し、DNAを損傷することを示した。また、Amesテスト陰性の発がん物質であるベンゼン、オルトフェニルフェノ-ルではそれらの代謝物、およびカフェ-酸が銅(II)の存在下でDNAを損傷することを単離したヒトがん原遺伝子(cーHaーrasー1)を用いて分子レベルで解明した。Amesテスト陰性であるが特異的に大腸癌をもたらす1,2ージメチルヒドラジンにおいても同様の結果が得られた。強く損傷される塩基はチミン、特に5'ーGTCの配列のチミンであり、DNA損傷は反応中に生成した過酸化水素とCu(I)から生じた活性種によることが示唆された。1,2ージメチルヒドラジンはマンガン(II)、マンガン(III)によっても活性化されDNAを損傷したが、その際OHラジカルが生成することをESRスピントラップ法を用いて確認した。この反応はフェントン反応とは異なり、過酸化水素を経由しないOHラジカル生成反応であることが判明した。これまで検討したAmesテスト陰性の発がん物質では、いずれも活性酸素を生成し、DNA損傷をもたらすことが判明した。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)