高齢者のミネラル代謝と骨粗鬆症に関する疫学的及び実験的研究
Project/Area Number |
02670242
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
公衆衛生学
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
北野 隆雄 熊本大学, 医学部・公衆衛生学教室, 助手 (50214804)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 正侑 ノートルダム清心女子大学, 食品・栄養学科, 教授 (00069113)
二塚 信 熊本大学, 医学部・公衆衛生学教室, 教授 (80040195)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Keywords | 骨粗鬆症 / 疫学調査 / 鶏胚骨器官培養 / 骨代謝 / ミネラル栄養 / 微量元素 |
Research Abstract |
高齢者のミネラル代謝特に骨粗鬆症について疫学、基礎の両面から検討を加えた。 疫学調査は熊本県芦北郡某町40歳以上の住民2831名のうち、同年の老人健康診査を受診した1277名(45.1%)中532名を対象に骨塩量(橈骨骨塩量)並びに血中、尿中のCa代謝関連成分を測定し以下の結果を得た。 1)骨塩量は、男女で明かな有意差を認めた。また、有意の相関がみられたのは、年齢、身長、体重、肩甲下部皮脂厚、血清中、ALP、尿中尿素窒素、尿酸、Caであった。 2)骨塩量及び血清中・尿中のCa、Mg、Pには明かな地域差はみられなかったが、Ca調節ホルモンであるPTH、カルシトニンは海浜部で高値を示した。 3)尿中のCa及び尿素窒素には有意の相関が認められタンパク質の摂取増加によるCaの排泄促進が示唆された。これまでに基礎研究で得られたMg、Feの骨代謝への重要性を含め、栄養摂取と骨代謝、特に高齢者での関連について現在詳細な解析を行っている。 基礎研究は、これまでにMgが骨代謝に重要な役割を持つことを明らかにした。今回は更にMgと微量元素との相互作用をin vivoの系ではラットを用い、in vitroの系では鶏胚骨を用い検討を行った。その結果、 1)Fは骨の吸収を阻害し、骨の形成を促進する事、Siはコラ-ゲン合成を促進すると報告されている。しかし、Mg欠乏ラットでは、その回復期において両元素の促進効果は認められず、Mgが骨代謝で両元素に優先した役割を行っている事が示唆された。 2)Zeは活性型ビタミンD_3と共存することにより骨の石灰化を促進すると言われている。in vitroにおける鶏胚骨の石灰化においては、低レベルでのMg存在下では、その促進効果は認められないが、適量なMg存在下でのみ、その効果が認められ、Mgの骨代謝での重要性が示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)