壁細胞の分泌性Clチャネル活性化分子機構とオメプラゾ-ル効果のパッチクランプ解析
Project/Area Number |
02670303
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Gastroenterology
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
上田 俊二 京都大学, 医学部, 助手 (70191913)
|
Project Period (FY) |
1990
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
|
Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1990: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
|
Keywords | 胃壁細胞 / 非選択性チャネル / Clチャネル / パッチクランプ法 / オメプラゾ-ル |
Research Abstract |
我々はラット腺胃を初代培養して単層上皮細胞コロニ-を得、酸分泌刺激後その中から壁細胞を同定し、その細胞にパッチクランプ単一チャネル記録法を適用した。その結果、壁細胞管腔側膜には3種類の異ったチャネルが存在する事が明らかとなった。1つは酸分泌刺激時でも、非刺激時でも認められる30pSの内向き整流性非選択性陽イオンチャネルである。このチャネルの開口率は電圧依存性を示し、また30mMTEAにより抑制された。しかしCa^<2+>依存性、オメプラゾ-ル感受性は認められなかった。2つ目は酸分泌刺激時においてのみ出現してくる30pSの外向き整流性の非選択陽イオンチャネルである。このチャネルの開口率は電圧依存性を示すが、Ca^<2+>依存性は見られなかった。しかしながらこのチャネルはオメプラゾ-ルの活性体であるH^+ーオメプラゾ-ルに対して感受性を示し、開口率の低下が認められた。また内向き整流性Kチャネルに対するより、さらに高濃度のTEAによってもチャネル活性は抑制されなかったが、Kイオンを完全にTEAにおきかえると活性は認められなかった。3つ目は溶液中Cl濃度を1/10にする事により逆転電位がー50mV変位する事からClチャネルであると考えられた。このチャネルにも電圧依存性が見られたが、Ca^<2+>依存性は見られなかった。またオメプラゾ-ルに対しては感受性を示さなかった。 次にモルモット単離壁細胞にパッチクランプ全細胞記録法を適用し、溶液を調整する事により、Cl電流のみを観察する様にして実験を行った。その結果、壁細胞には多量のCl電流が観察され、この電流はClチャネルブロッカ-であるSITS,DIDSにより抑制を受けた。現在我々はこの方法を用いてCl電流の細胞内活性化および抑制化の分子機構について検討を加えている。
|
Report
(1 results)
Research Products
(2 results)