Project/Area Number |
02670310
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Gastroenterology
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
坪内 博仁 鹿児島大学, 医学部・附属病院, 助手 (60145480)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1990: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 肝細胞増殖因子(HGF) / 劇症肝炎 / 酵素免疫測定法(ELISA) / 血清hHGF値 / 早期診断 / 予後判定 |
Research Abstract |
研究代表者は、ヒト血清中の肝細胞増殖因子(human hepatocyte growth factor;hHGF)の酵素免疫測定法(ELISA)を確立した。本法は3ステップ固相法サンドイッチ法である。本ELISAにより正常者および各種肝疾患々者の血清hHGF値を測定し、その臨床上の有用性、とくに劇症肝炎患者の早期診断と予後判定における有用性を検討した。 正常者40例の平均hHGF値は0.21ng/mlで急性肝炎(26例)、慢性肝炎(48例)、肝硬変(33例)および肝細胞癌患者(12例)おけるhHGF値はいずれも有意に増加したが、その程度は2倍以下であった。一方、重症肝炎患者(19例)では、0.77hg/mlと著しく増加し、劇症肝炎患者(30例)では17、50ng/mlと他の疾患に比べてその増加の程度は極めて著しかった。脳症発現前(発現日も含む)から経過を追ってhHGF値を測定した9例のうち8例で1ng/ml以上の値を示し、脳症発現前に劇症肝炎の予知ができる可能性が明らかとなった。また、経過中の最大hHGF値と予後との関係をみると、生存例10例の平均値は4.89ng/mlであるのに対し死亡例20例では23.81ng/mlと両者間には明確な差がみられた。最高値が3ng/ml以下であった8例中7例が生存したのに対し、10ng/ml以上を示した15例中14例が死亡し、血清hHGF値は予後の判定にも有用性が認められた。したがって急性肝障害の患者においては経過を追って経特的に血清hHGF値を測定することにより、脳症のない時期にでも劇症化の予知がある程度可能と考えられ、また血清hHGF値が10ng/ml以上に上昇する患者の予後は極めて悪く血清hHGF値は予後の判定にも有用である。
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