Project/Area Number |
02670394
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Circulatory organs internal medicine
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田内 潤 大阪大学, 医学部, 助手 (20197544)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 通敏 大阪大学, 医学部附属病院, 教授 (30028401)
石原 謙 大阪大学, 医学部, 助手
堀 正二 大阪大学, 医学部, 助手 (20124779)
北畠 顕 大阪大学, 医学部, 助教授 (00124769)
|
Project Period (FY) |
1990
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
|
Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1990: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
|
Keywords | Doppler echocardiography / coronary circulation / micro circulation / cardiomyopa thy |
Research Abstract |
高速フ-リエ変換・ドプラ-カテ-テル法を新たに開発し,本法の冠血流動態評価における妥当性・有用性を動物実験において確認するとともに,臨床例において冠主要血管・微小循環の血流動態の異常を検討した。雑種成犬6頭を用いた基礎的検討において,従来のゼロクロス法ドプラ-カテ-テルによる冠血流速計測ではノイズやサンプルボリュ-ムの位置等の影響のため電磁流量計との同時計測により得た冠血流速を過小評価した。一方,高速フ-リエ変換ドプラ-カテ-テル法により得た冠血流速は電磁流量計による計測とよく一致し本法の有用性が確認された。心臓カテ-テル検査を行ない左室造影にて明かな異常を認めない29例の正常左冠動脈近位部における拡張期冠血流速波形の開始よりピ-ク流速となるまでの時間TPFVは年齢とともに延長し,加齢にともない拡張早期の冠血流流入が遅延することが明かとなった。塩酸パパベリン負荷により求めた冠血流予備能も加齢により減少し、高齢者における冠微小循環障害が示唆された。左室機能の低下した拡張型心筋症を含む精密圧トランスデュ-サ-にて左室圧を計測した28例の正常左冠動脈近位部拡張期冠血流速波形のTPFVは左室弛緩の指標である左室圧下行脚の時定数tauの遅延とともに延長し,左室弛緩の延長により拡張早期の冠血流流入が遅延することが明かとなった。さらにtauの遅延した例ではtauが正常の例に比しペ-シング負荷により心拍数が増加したときの拡張期冠血流流入が障害されることが明かとなった。拡張型心筋症においてはTPFVが延長し,拡張期冠血流速波形のdecelerationも急峻であり,それぞれtauの延長ならびに左室拡張末期圧の上昇による影響が考えられた。塩酸パパベリン負荷により得た冠血流予備能の減少にはこれらとの相関が認められず微小循環障害などの関与が考えられた。高速フ-リエ変換ドプラ-カテ-テルは不全心の冠血流・微小循環障害の解析に有用である。
|