膜脂質過酸化による結節細胞刺激生成異常のイオン電流機序
Project/Area Number |
02670413
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Circulatory organs internal medicine
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
渡部 良夫 藤田学園保健衛生大学, 医学部, 教授 (70084572)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 伸之 藤田学園保健衛生大学, 医学部, 研究員
内田 宏子 藤田学園保健衛生大学, 医学部, 客員講師
西村 昌雄 藤田学園保健衛生大学, 医学部, 講師 (60101680)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1990: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 膜脂質過酸化 / 再潅流不整脈 / カルシウム電流 / 洞結節 / フリ-・ラジカル / 自動能 / 活動電位 / イオン電流 |
Research Abstract |
【目的】心筋虚血後の冠動脈再潅流に際して,種々の頻脈性不整脈および伝導障害が併発することは広く知られている。これら不整脈の発生機転の1つとして、free radicalによる細胞膜脂質過酸化の関与が示唆されているが、そのイオン電流機序は未だ明らかにされていない。そこで本研究では、結節細胞の電気生理学的機能に及ぼす膜脂質過酸化の効果を活動電位とCa電流の両面から検討し、不整脈発現との関連について検討した。 【方法】家兎洞結節ならびに房室結節を細切して、0.2_x0.2_x0.1mmの微小標本を作成し、微小電極法にて活動電位記録を、二重微小電極法にて膜電流測定を行なった。膜脂質過酸化剤としては有機hydroperoxideであるtーbutyl hydroperoxide(TBH)に使用した。 【成績】TBH(300μM)による膜脂質過酸化反応は、洞結節微小標本における自発性興奮頻度、最大脱分極速度、活動電位振幅を潅流開始4±1分後、一過性に増加させた後、減少させ、15±3分後には自発活動を全例で停止させた(n=10)。洞結節を用いた電圧固定実験では、-40mVから-10mVへの脱分極により活性化されるCa^<2+>電流(I_<Ca>)は、TBH潅流開始4±1分後それぞれ31.8±12.7nAから38.7±13.1nA(19±10%)へと増加した後、15±3分後には17.3±9.2nA(-56±12%)へと減少した(n=6)。定常状態におけるI_<Ca>の不活性化曲線は、15分後-32.7±2.3mVから-25.5±3.2mVへと脱分極側に偏位し、勾配因子は7.4±0.4から8.8±0.4へわずかに増大した(n=3)。 【総括】1.TBHによる細胞膜脂質の過酸化は結節細胞の生理的自動能を一過性に亢進させた後に抑制したが、そのイオン機序としてはI_<Ca>の2相性変化が示唆された。2.初期の電流増加は細胞内Ca濃度の上昇、その後の電流減少はチャネルタンパクの障害に起因すると考えられた。
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Report
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Research Products
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