胎生期心臓のアシド-シスへの適応に関する基礎的研究
Project/Area Number |
02670464
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Pediatrics
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
中西 敏雄 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (90120013)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀬口 正史 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (50192141)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1990: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | アシド-シス / 未熟心筋 / 胎児 / 細胞内pH / 細胞内カルシウム |
Research Abstract |
胎生期心臓のアシド-シスへの適応に関する基礎的研究を行い,以下の如き結果を得た。 1)胎生21日,胎生28日の胎仔家児より心臓を摘出し,潅流し,左室内左を測定した。潅流液をコントロ-ルのpH7.4から,呼吸性アシド-シスpH6.8の液へ変え,左室内左の変化をみた。成熟心筋では左室内左は低下したが,胎仔心筋はコントロ-ルの値と有意差はなく,未熟心筋は成熟心筋に比しアシド-シスに抵抗性をもっていた。また,心筋から細胞を単離し,同様にアシド-シスの細胞収縮への影響をみたが,未熟心筋細胞の収縮はアシド-シスに抵抗性をもっていた。 2)細胞内pHを蛍光色素BCECFを用いて測定し、呼吸性アシド-シスの細胞内pHへの影響を調べた。細胞内pHはアシド-シスで低下したがその低下は胎仔心筋細胞では成熟細胞に比し有意に少なかった。細胞内pH調節機構のひとつであるNaーH交換の阻害剤であるアミクライドの存在下でも胎仔心筋と成獣心筋のpHの差は依然存在した。別の細胞内pH制御機構であるCl^ーーHCO_3^ー交換の阻害剤であるSITSの存在下では細胞内pHは胎仔と成獣心筋で同様に低下した。以上の結果は、胎仔ではアシド-シスに抵抗性を示すが,その機序は少なくとも一部には,胎仔でCl^ーーHCO_3^ー交換がより活発であることによることを示す。 3)アシド-シスに伴う細胞内Ca濃度の変化を蛍光色素faraー2を用いて測定した。アシド-シスで細胞内Ca濃度は上昇したが,その程度は胎仔と成熟で同程度であり、胎仔のアシド-シスに対する抵抗性はカルシウムでは説明できないことがわかった。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)