尿路性器癌におけるプロテアソ-ムの異常発現機構に関する研究

Research Project

Project/Area Number	02670710
Research Category	Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
Allocation Type	Single-year Grants
Research Field	Urology
Research Institution	The University of Tokushima
Principal Investigator	香川征徳島大学, 医学部, 教授 (40035738)
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha)	田中啓二徳島大学, 酵素科学研究センター, 助手 (10108871) 金山博臣徳島大学, 医学部, 助手 (10214446)
Project Period (FY)	1990
Project Status	Completed (Fiscal Year 1990)
Budget Amount *help	¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000) Fiscal Year 1990: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Keywords	プロテアソ-ム / 腎細胞癌 / 遺伝子発現
Research Abstract	腎細胞癌患者より摘出した組織,および株化腎癌培養細胞におけるプロテアソ-ムサブユニットの遺伝子発現状態を解析したところ,正常組織に比べて癌組織,あるいは培養細胞において非常に強い遺伝子発現の増強が確認された。また、モノクロ-ナル抗体を用いた免疫組織化学によりプロテアソ-ムの組織内,細胞内局在を調べたところ,癌細胞の核に異常集積していることが判明し、腎細胞癌の発癌機構において癌細胞の核内でのプロテアソ-ムの機能発現が密接に関与していることが示唆された。また、プロテアソ-ムの組織含量を免疫化学的に測定したところ癌組織において遺伝子発現が増強しているにもかかわらず正常組織と癌組織のプロテアソ-ム含量に差はみられず,培養細胞を用いた実験から遺伝子発現の程度に応じてプロテアソ-ムの合成分解速度が亢進している可能性が示唆され,さらに細胞の増殖速度とも相関していることが示された。他方,酵母プロテアソ-ムの遺伝子破壊の実験からプロテアソ-ムが細胞の増殖に不可欠な物質であることが判明し,細胞の分裂増殖や癌化の分子機構においてプロテアソ-ムが非常に重要な役割をはたしていることが明らかになってきた。さらに、尿路性器癌患者の血清プロテアソ-ムを免疫化学的に測定したところ,特に前立腺癌患者,腎細胞癌患者において癌の進行度や悪性度と相関して血清プロテアソ-ム値が上昇していることが明らかとなり、腫瘍マ-カ-として臨床応用の可能性が示唆された。