男性不妊の新マウスモデルを用いての、不妊症の免疫調節療法の開発
Project/Area Number |
02670711
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Urology
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Research Institution | Kagawa Medical School |
Principal Investigator |
北条 憲二 香川医科大学, 医学部, 教授 (90046863)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平峯 千春 香川医科大学, 医学部, 助手 (30047203)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 不妊症治療 / サプレッサ-T細胞株 / 抑制性T細胞因子 / マウス / 実験的自己免疫性精巣炎 / 精子免疫 |
Research Abstract |
我々は同系精巣細胞(TC)の2、3回の皮下注射のみで、アジュバントその他の免疫増強操作なしに、マウスに実験的自己免疫性精巣炎(EAO)をきわめて高率に発症させることをみいだした。この実験系を免疫制御の検定系に用いて、男性不妊症の免疫調節療法の開発に努力してきたが、本年度に得られた成果は、次のごとくである。1.上記の新しいEAOモデルをその前臨床期(preclinical phase)において抑制する能力をもつT細胞株の樹立に成功した。正常C3H/He系雄マウス(生後8週齢)に1x10^8個の同系TCを2週間隔で10回皮下注射を反復し、最終感作より7日後に摘出した脾より得たリンパ球をマウス可溶性精巣抗原(mTA,300μg/ml)とシクロスポリン(250ng/ml)の存在下で7日間培養し、その後rILー2で維持するstarve phaseと30Gy照射同系脾細胞とmTA(100μg/ml)と共に培養する'feed'phaseとの交互反復によりmTA特異的細胞株を選択した。樹立された細胞株(CTs)の表面形質はThy1.2^+,CD4^+,CD8^ー,CD3^+,slg^ーであり、in vitroリンパ球増殖性応答ではmTA刺激に対し有意の反応性を示した。本株化細胞の養子移入の実験では、EAOのinductive phaseまたはclinical phaseに移入しても発症抑制効果はみられなかったが、preclinical phaseに移入した場合には完全に病気の発症を抑制することができた。また、この細胞株の抑制効果は'feed'phaseにある株にのみ認められた事実から、抑制効果の発現には特異抗原刺激による細胞活性化が必須であることが明らかとなった(Proc.5th Ann.Meeting Jap.Soc.Basic Reprod.Immunol.1991)。現在、千葉大学医学部附属高次機能制御研究センタ-免疫機能分野・谷口克教授との共同研究の下に、本CTs細胞のT細胞レセプタ-に関する分子生物学的研究が進行中である。2.昨年度の研究で新しいEAOモデルをその誘導期において阻止する能力のあるCD8^+サプレッサ-T細胞を誘導できる実験系を確立したが、現在、この系で働く抑制性T細胞因子産生性サプレッサ-細胞の株化に、引続き努力中である。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)