Project/Area Number |
02670749
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Obstetrics and gynecology
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
岡村 均 熊本大学, 医学部, 教授 (20026983)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 康二 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (50145322)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1990: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 卵成熟 / 排卵 / CaM Kinase II / 細胞内情報伝達 / 卵胞発育 |
Research Abstract |
排卵現象・卵成熟に重要な役割をはたす卵巣顆粒膜細胞・莢膜細胞・間質細胞の細胞内情報伝達系については、従来cAMPーcAMPーdependent protein kinase系とイノシト-ル燐脂質ーprotein kinase C系の2つが知られてきたが、最近我々は卵巣顆粒膜細胞内にCalcium/calmodulinーdependent protein kinase II(以下CaM kinase IIと略す)が存在し、自己燐酸化反応を起こし得る事を初めて見いだした。これらは、卵巣内情報伝達系にCaM kinase IIが関与している可能性を示唆している。はじめに我々は、ラット卵巣におけるCaM kinase IIの局在について免疫組織化学的検討を行った。過排卵刺激したウィスタ-系の幼若ラットより採取した卵巣をPLP固定したのち凍結切片を作製し、ラット脳由来のCaM kinase IIに対する抗体を用いて免疫組織化学を施し光顕的に観察した結果、卵細胞・顆粒膜細胞・莢膜細胞および血管壁にCaM kinase II陽性像が観察された。次に顆粒膜細胞内におけるCaM kinase IIの局在を調べたところ、顆粒膜細胞の胞体は、ほぼ均質にCaM kinase IIの陽性像を示し、さらに胞体内は顆粒上の強い陽性像が散見された。次に様々な成熟段階における卵胞、および黄体におけるCaM kinase IIの組織局在の変化について検討した。顆粒膜細胞層ではantral follicleの時期に最も強い陽性像が認められ、その後は卵丘の周囲や卵胞腔に面した細胞に強い陽性像が認められ、一卵胞内でもその局在は一様ではない事が分かった。莢膜細胞層はprimary follicleではかすかな陽性像を示したが、卵胞の発育と共に強い陽性像が認められた。黄体にほぼ均質な弱い陽性像を示した。卵細胞は、卵胞の大きさに無関係に強い陽性像を示した。以上の事からラット卵巣において、CaM kinase IIが卵胞発育・排卵の調節に関連している可能性、および卵細胞において一定の生理的役割を演じている可能性が示唆された。
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