象牙質への機能性モノマ-の接着機構解明に関する研究
Project/Area Number |
02670876
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
補綴理工系歯学
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
西山 典宏 日本大学, 松戸歯学部, 助手 (90112953)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1990: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | コラ-ゲン / 機能性モノマ- / 相互作用 / トリプルヘリクス / ランダムコイル |
Research Abstract |
歯質,特にコラ-ゲンへの機能性モノマ-の接着機構を調べるために,NMR法を用いて,機能性モノマ-とコラ-ゲンとの相互作用について検討した. コラ-ゲンモデルとして(Pro^1ーPro^2ーGly^3)_<10>を用い,コラ-ゲン100mgを1mlのD_2O中に懸濁し,これにメタクリル酸,HEMAを所定量添加して^<13>C NMRスペクトルを測定した. 機能性モノマ-とコラ-ゲンとの相互作用の様子を詳細に検討するために,基準ピ-ク(HMDS)に対する主鎖中のt.h.ならびにr.c.に帰属されるGlyのC=Oピ-クの相対面積強度を求めた.メタクリル酸を添加した場合,その濃度が0.70mmol以上の濃度で,水溶液中からコラ-ゲンが析出するために,C=Oのピ-ク強度は急激に低下し,メタクリル酸はコラ-ゲンと強い相互作用を示すことがわかった.これは恐らく,末端NH基のNがプロトン化され,その部位にCOO^-が対イオンとして固定されたためと考えられ,この対イオン効果によりコラ-ゲンの性質が変わるために,コラ-ゲンが析出したものと考えられる.これに対し,HEMAの場合は,添加濃度が0.70mmolの時にコラ-ゲンがD_2O中に溶解するために,t.h.のピ-ク強度が急激に増加した.その後,添加量の増加に伴い,t.h.の強度が低下し,その代わりにr.c.のピ-ク強度の増加が認められる.このことよりHEMAはコラ-ゲンを膨潤・溶解することがわかる.また,HEMAの水酸基とPro^2のC=Oとの水素結合形成に伴う,高磁場側へのシフトが観測された. 以上の結果より,カルボキシル基を有するメタクリル酸とHEMAの接着機構は異なることがわかった.
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Report
(1 results)
Research Products
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