Project/Area Number |
02670878
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
補綴理工系歯学
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
後藤 真一 日本歯科大学, 新潟歯学部, 助手 (10105504)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | パラジウム合金 / 銅含有合金 / ガリウム含有合金 / 機能的性質 / 耐変色性 |
Research Abstract |
この研究は、接着ブリッジ用高強度 PdーCuーGa合金を開発するための基礎資料を得ることを目的として行った。実験に使用した合金は、Pdを35〜65wt%、Cuを35〜50wt%、Gaを0〜15wt%の範囲で5wt%おきに変化させた16種である。1種につき100gの合金を、アルゴン雰囲気の石英管内で、高周波誘導加熱装置を用いて熔製した。合金熔製前後の重量変化は最大で9mgであった。試験片は、歯科精密鋳造法に準じて、直径2mm、長さ約45mmの引張試験片2本、厚さ1mmの変色試験片・ビッカ-ス硬さ試験片各1枚を1塊として鋳造した。これを各合金について6回繰り返した。鋳造した試験片を、800゚Cで3分間加熱して水中急冷し、半数の試験片を、450゚Cから250゚Cまで30分かけて炉冷した。16種の合金について、0.03%オフセット弾性限・0.2%オフセット耐力・引張強さ・伸び・縦弾性係数(以上各測定数6)・ビッカ-ス硬さ(以下各測定数3)・37゚C0.1%Na_2S溶液に3日間全浸漬する耐変色試験を行った。これらの測定値からCu量、Pd量の2因子について直交多項式の展開による関数形を求め、等値曲線を描いた。結果の主なものは次のとおりである。16種の合金の熱処理による硬化能は55Pdー45Cu二元合金が最大で、Hv127からHv190へと上昇した。しかし、Gaを添加したどの合金よりも低かった(最大値Hv273)。Gaを添加した合金の機能的性質・耐変色性は、熱処理による影響が少ない。機能的性質は、Ga添加量によって大きな影響を受け、最大値は、0.03%オフセット弾性限44.0kgf/mm^2・0.2%オフセット耐力56.2kgf/mm^2・引張強さ76.7kgf/mm^2で、Ga5wt%添加のときに現れた。耐変色性は、Cuの添加量によって大きな影響を受け、Cuの添加量が少ないほど良くなった(最大値L^*68)。しかし、歯科用合金としては不十分である。実用合金としては、Gaを5wt%前後含んだ高パラジウムのPdーCuーGa合金が有望と考える。
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