Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1990: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Research Abstract |
我々は,既に,(1)ヒト活性化型cーHーrasー1(EJ6.6)から既知の転写開始調節領域を除いたEJ2.9のトランスホ-ミング能がウイルスエンハンサ-やcーmycによって上げられること,(2)EJ2.9には未知の転写開始領域が存在する可能性,を報告している。本研究では,EJ2.9の未知の転写開始領域の同定とウイルスエンハンサ-やcーmycが,その領域にどの様に影響するのかを解析した。 1.SIマッピングとプライマ-伸長法による未知の転写開始点の同定: 3Y1細胞に,pEJ6.6,pEJ2.9,ウイルスLTRやエンハンサ-にEJ2.9を逆向きにつないだpMPSVLTREJAS,pMPSVEnEJASと各々,活性化型cーmycを同時導入して得られたトランスホ-マント由来の全細胞RNAを用いて,SIマッピングとプラマ-伸長法による開始点の同定を行った。その結果,各サンプルにおいて一致した位置にバンドを認め、sequenceの結果、ATGコドンのAから132dp.上流のCが転写開始点であることが分かった。 2.EJ2.9の新しい転写調節領域とウイルスエンハンサ-,cーmycとの相互作用: EJ2.9のイントロン0内に発見した新しい転写開始点からの転写は,EJ2.9をウイルスLTR,ウイルスエンハンサ-に逆向きにつないだ組換え体と活性化型cーmycを同時導入されたトランスホ-マントにおいて特に強いが,LTRあるいはエンハンサ-をもたないEJ2.9でのトランスホ-マントにおいては顕著ではなかった。よって,ウイルスLTRやウイルスエンハンサ-は,この転写開始点を活性化し,EJ2.9のトランスホ-ミング能を上げると考えられるが,mycタンパク質は,別の機序でEJ2.9のトランスホ-ミング能に影響していると考えられる。また,ある種のヒト癌由来細胞株においても,上記転写開始点からの発現を認めており,エンハンサ-やcーmycがヒト発癌機構にどの様にかかわっているのか興味がもたれる。
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