ペプチド性神経伝達物質サブスタンスPの機能的受容体の同定および性理的意義の解明
Project/Area Number |
02670999
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biological pharmacy
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
仲田 義啓 広島大学, 医学部, 助教授 (40133152)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1990: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | サブスタンスP / 受容体 / 糖鎖 / レクチン / ラット中枢神経組織 / 神経化学 |
Research Abstract |
[ ^3H]SP特異的結合に対するConcanavalin A(Con A)、lens culinaris agglutinin(LCA),wheat germ agglutinin(WGA)の影響を検討することで、SP受容体の糖鎖構造の性質を調べた。ラット大脳皮質では、Con Aだけが濃度依存的に[ ^3H]SP特異的結合を阻害したのに対し、脊髄では、Con AとWGAが濃度依存的に阻害した。従って、大脳皮質のSP受容体の糖鎖は母核部にαーfucoseの構造を持たない2本鎖複合型糖鎖であり、脊髄SP受容体糖鎖は混成型糖鎖または高マンノ-ス型糖鎖であることが示唆された。レクチンによる阻害効果は、Scatchard plot解析の結果、SP受容体の親和性の低下によるもので、最大結合量には無影響であった。脳及び脊髄膜標本をdigitoninで可容化、ゲル濾過後の可容化膜標本の[ ^3H]SP結合活性に対するGTPγ S及びCon Aの影響を調べた。GTPγ Sは膜標本と同様に[ ^3H]SP結合活性を低下させることから、ゲル濾過後もSP受容体とGTP結合蛋白質(G蛋白)との共役機構が存在することが示唆された。また、Con Aも膜標本と同様に[ ^3H]SP特異的結合を阻害することから、SP受容体はdigitoninにより糖鎖構造を保持した状態で可溶化されると推察された。次に、この画分をConAーSepharoseを用いて精製した結果、Con A部分精製画分では、[ ^3H]SP結合活性に対してGTPγ Sは無影響であることから、SP受容体とそれに共役するG蛋白が分離されたことが示唆された。Con A部分精製画分を、SPーSepharose affinityを行い、SDSーPAGE後、銀染色し精製された蛋白質を調べた。その結果、脳及び脊髄膜標本から還元状態で74Kdの分子量が同一である蛋白質が精製された。またイムノブロッティングの結果、脳及び脊髄膜標本で、SPが74Kdの蛋白質に結合し架橋されたことが確認され、みかけの分子量74Kdの糖蛋白質がSP結合蛋白質(受容体)であることがあきらかになった。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)