DNA合成系酵素活性測定による癌細胞分化度の判定と治療法の選択
Project/Area Number |
02671066
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Laboratory medicine
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
坂本 忍 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教授 (80107317)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 良平 東京医科歯科大学, 難治療疾患研究所, 教授 (00013912)
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Project Period (FY) |
1990
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1990)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1990: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | DNA合成系酵素 / デ・ノボ合成 / サルベ-ジ合成 / チミジレ-ト・シンセタ-ゼ / チミジン・キナ-ゼ / 組織学的分化度 / 高分化癌 / 低分化癌 |
Research Abstract |
ピリミジン代謝のサルベ-ジ経路に位置するDNA合成系酵素チミジン・キナ-ゼ(TK)およびデ・ノボ経路に位置するチミジレ-ト・シンセタ-ゼ(TS)は、それぞれチミジンをリン酸化およびdUMPをメチル化して同一のdUMPへ転換する酵素である。ともに胎児組織、腫瘍組織などの増殖の盛んな細胞でその活性の増加していることが知られている。我々は、昭和57、59、62、63年度の文部省科学研究費の援助を得て、正常大腸には存在しない特異な胎児型のTKアイソザイムが家族性大腸ポリポ-ジスポリ-プおよび大腸癌では高率に誘導されることを報告した.さらに、ヒトおよびラット実験大腸癌では、組織学的に分化度の高いもの程、TK活性が高く、胎児型TKアイソザイムの存在も認められた。またヒト胃癌ではTK/TS比の低いもの程分化度が低く、その様な症例にはDNAデ・ノボ合成を抑える抗癌剤が有効であることも報告した。ヒト白血病でもTK/TS比の低いもの程難治性である傾向が認められ、骨髄細胞増殖ではG_0/G_1期に先ずTS活性の上昇が起り、次いでS期にかけてTK活性が上昇して細胞増殖の起ることも報告した。そこで今回、平成2年度の文部省科学研究費(No.02671066)の援助を得て、癌細胞におけるTKおよびTSの役割、TK/TS比と組織学的分化度・難治性、その治療法の選択等について検討したところ、1)ラット実験大腸癌においてデ・ノボのTS活性を抑えるような抗癌剤を投与しておくと、発癌しにくいこと、2)3'ーMeDABによるラット肝発癌をやはり抗癌剤によりTS活性を初期に抑制してしまうと発癌しないこと、3)骨髄細胞の増殖過程においてCSFなどのモジュレ-タ-を働かすと、TS、TKの発現がシフトすること、4)ラット実験大腸癌の高分化型腺癌ほどTK活性が高く、低分化型腺癌ほどTS活性が高く、組織学的分化度の増すほどTK/TS比の増加することが認められた。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)